ホテル椿山荘東京の「東京雲海」が進化 三重塔移築100周年、「天空の三重塔(パゴダ)」を1月8日から公開

　東京都文京区にある「ホテル椿山荘東京」(藤田観光・東京)の森のような庭園の丘の上にそびえ立つ国指定登録有形文化財「三重塔」は、広島県東広島市の篁山（たかむらやま）竹林寺から移築されてから、2025年で100周年を迎える。これに伴い、新たな庭園演出「天空の三重塔(パゴダ)」が2025年1月8日(水)にスタートする。

　同ホテルの庭園演出「東京雲海」を進化させたのが「天空の三重塔(パゴダ)」。三重塔前の芝生エリアや塔を囲むように霧を出現させ、庭園一面に広がる絶景を堪能できる。

　1925年、篁山竹林寺から藤田平太郎男爵により椿山荘庭園に移築された三重塔。従来の建築様式から室町時代末期に建立されたと考えられていたが、2010年に行われた移築後初の「平成の大改修」における年輪年代測定法での調査により、室町時代前期(1420年ごろ)の部材が使われていることが判明。東京都区内に現存する古塔は、旧寛永寺五重塔(江戸時代建立)と本門寺五重塔(江戸時代建立)、椿山荘三重塔(推定 室町時代建立)のみで、貴重な文化財とされている。

　現代でも篁山竹林寺内の三重塔があった場所からは、自然の雲海を見ることができる。平安時代の官僚・歌人であった小野篁が京へ上るときに、篁山竹林寺内の三重塔近くの鐘楼堂から霧がかる入野の街並みを見て、「おちこちの　峰を島かと　見するまで　霧の海なす　篁の里」と詠んだともいわれる歴史ある風景だ。 三重塔の歴史や構造、「天空の三重塔(パゴダ)」にまつわる記念動画も公開した。動画ではホテル所在地である文京区出身の声優・石川界人氏が、文京区に100年たたずむ文化財「三重塔」について語りを担当している。

　庭園演出「天空の三重塔(パゴダ)」の開催時間は、7時10分・11時10分・14時10分・18時10分・19時10分・20時10分・21時10分・22時10分・22時40分。その他の時間は通常の東京雲海が出現する。7時10分・22時10分・22時40分は大雲海も一緒に出現する。