青森県の龍飛崎(外ヶ浜町)には「階段国道」があります。国道339号は標高差70mを階段で結んでいます。もちろん歩行者しか通れない国道です。また日本には、橋もトンネルもない海の上を結ぶ国道があることをご存じですか?
鹿児島市を起点として、沖縄県那覇市を終点とする国道58号。総延長879㎞のうち609㎞が海の上です。もちろん海上に道路はありませんが、鹿児島と沖縄は満点の星空で結ばれ、夜空を「天の川銀河鉄道本線」が走るそうです。
鹿児島市を出発した銀河鉄道は、沖縄本島の20数㎞手前にある途中の与論島(ヨロン駅)に停車します。与論島には銀河鉄道の線路や駅舎があります。ヨロン駅で途中下車をして、今回の「幸せになる旅」を開始しましょう。
ヨロン駅の近くには空港や港があります。宿泊するホテルの送迎バスを利用しても結構ですが、交通の要所が集中しているこのエリアで、レンタカーを借りると便利です。島の空気を肌で感じる原付バイクをレンタルすることもオススメです。
島の南部を東へ向かって走ります。隆起サンゴ礁の島だけあって、どこから見ても美しい海が広がります。ドライブの途中、「沖縄復帰40周年ヤンバルクイナ像」の手前に珍しいオブジェを発見しました。金色の牛です。
ピカピカの「黄金牛」は2010年頃に設置されたそうですが、その由来は謎とのこと。ただ「お腹をさわるといいことがある」という定説はあるそうです。良く分かりませんが「幸せになりますように」となでてあげましょう。
島の南東部にある「与論民俗村」に到着。島民の菊さん一家が、島の文化を後世に残したいという思いで設立した私設の民俗資料館です。円すい形の瓦ぶき屋根の家や琉球文化の影響を受けた赤瓦の家などが展示されていて、島民の生活をうかがうことができます。
次は最大の目的地、島の西部に位置する大金久(おおかねく)海岸へ向かいます。美しく穏やかな大金久海岸の沖合1.5㎞には、中潮から大潮の干潮のときだけ姿を現す幻の浜「百合ヶ浜」があるのです。
大金久海岸から予約した乗り合いのボートで百合ヶ浜に近づきます。ボートが進めない浅瀬になったら歩いて百合ヶ浜へ。自分のまわりは360度すべて美しい海。百合ヶ浜の中央で寝そべってみると、もはや夢か幻をみているような気持ちになります。
初めて与論島を旅するなら、やはり百合ヶ浜が出現する日を考慮して日程を組みたいところです。与論島を紹介するインターネットのホームページでは大抵、百合ヶ浜の出現を記したカレンダーも掲載されています。どうしても人気の日程になるので、旅の手配はお早めに。ただし、銀河鉄道の予約方法だけは私も存じ上げません。
【旅人略歴】 エスコートK・・・数十年前、旅程管理主任者の1期生として、国内外のツアーをエスコート。現在は生活情報誌の編集長だが、旅の取材だけは自らのカメラを手に、こっそりとデスクを離れ出掛けている。