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【週末映画コラム】全く予測がつかない展開を見せる『悪は存在しない』/“反面教師映画”『ゴジラ×コング 新たなる帝国』

『ゴジラ×コング 新たなる帝国』(4月26日公開)

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 怪獣と人類が共生する世界。未確認生物特務機関「モナーク」が異常なシグナルを察知したことを発端に、ゴジラが君臨する地上世界とコングが生きる地底世界という2つのテリトリーが交錯し、ゴジラとコングが激突する。

 しかし、その先には人類にとってさらなる未知の脅威が待ち受けており、怪獣たちの歴史と起源、さらには人類の存在そのものの謎に迫る新たな冒険が繰り広げられる。

 『GODZILLA ゴジラ』(14)から始まったハリウッド版「ゴジラ」シリーズと『キングコング:髑髏島の巨神』(17)の世界観をクロスオーバーさせた「モンスターバース」シリーズの通算5作目。

 前作『ゴジラvsコング』(21)に続いて監督はアダム・ウィンガード。出演は、レベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリー、ケイリー・ホトルが続投し、ダン・スティーブンス、ファラ・チェンらが加わった。

 もともと「モンスターバース」は、物語の設定やゴジラやコングの造形も含めて、東宝のゴジラシリーズとは別物だと思っているので、どんな設定で見せられても、もはや驚きもしない。今回は『猿の惑星』ならぬ“コングの惑星?”も登場する。

 監督のウィンガードは前作の時に、「これは巨大怪獣の大乱闘映画」と語っていたが、それは今回も同様。要は金を懸けたVFXを使って、いかにゴジラやコングを相まみえさせるか、その闘いをどう見せるかが重要なのだ。

 この映画を見ると、『ゴジラ-1.0』がアカデミー賞を得たのは、低予算でのVFXの技術もさることながら、「戦争とゴジラ」というテーマやストーリー性の高さも併せて評価されたからだと納得できる。その意味ではこの映画は“反面教師映画”と言えないこともないのだが、これはこれで何も考えずに見る分では楽しめはする。

(田中雄二)