グルメ

パンケーキ独裁国 「蝶花楼桃花 コラム 直線・曲線・斜め線」

 私は食べることが大好きで、基本的には好き嫌いもない。本当になんでも食べる。お酒もどんな種類でも呑むし、甘いものも大好きでよく食べる。辛いものは強くはないけど、食べたがる。イナゴの佃煮とか、蜂の子のようなものもいけるし、生肉だって、パクチーや香草だって大好きだ。

 とにかく、食べ物とは〝全方位外交〟を築いている私なのだ。ただ、大好きなのに毎回どのポジションに置いて良いのか迷うのが、ホットケーキだ。全方位外交を目指す私に立ちはだかる〝独裁国〟のようなものだ。自分不器用ですからみたいな古いタイプの茶色いだけのホットケーキも大好きだし、パンケーキなんという呼び方が相応しいオシャレな奴も大好きだ。ほとんど、空気みたいに消えていくパンケーキも。

 ただ、食事をした後にデザートとして食べるのには重いけど、1回の食事としてカウントするにはさすがに頼りなさすぎる。このホットケーキ問題は、私にとってはとんでもない課題なのだ。

 では、食事系パンケーキにすれば良いというご意見もあるだろうが、ノンノンノン。ここは私のワガママで、パンケーキはできれば甘く食べたいというのがある。サラダパンケーキのような、サーモンやアボカドがのってるヘルシー系(←ヘルシーでは絶対ない!笑)も食べたらめちゃくちゃ美味しいし、カリカリベーコンやソーセージがのっているがっつりアメリカンスタイルも捨てがたい。

 でもやっぱり私はホイップクリーム盛り盛りや、メープルシロップダクダクの甘々で食べたいのだ。となると、昼食と夕食を控えめにして、おやつに食べる。このパターンが一番落ち着くように思える。だが、しょっぱいと甘いの両方を1食に取り入れてこそ、私の完全食である。食事を控えるのもなんだかちょっと悔しい。仕方なく、食事+パンケーキという強行突破におよぶことになるのだ。

 しかし、歳を重ねるに連れて胃袋の大きさも縮小の一途を辿っている私にとっては、大変に厳しい状態である。パンケーキ独裁国にまどわされず、平和な外交を目指したいものだ。そして、パンケーキ問題と同じく立ちはだかる、フルーツサンド問題も同時に考えていく必要がある。食べ物外交は大変に難しい。

蝶花楼桃花(ちょうかろう・ももか)東京都出身。春風亭小朝さんに弟子入り後、二ツ目・春風亭ぴっかり☆時代に「浅草芸能大賞」新人賞を受賞。2022年3月、真打ちに昇進し高座名を「蝶花楼桃花」と改める。昇進披露興行、初主任興行、企画にもかかわった全出演者女性による「桃組」はいずれも大入り。24年7月、31日連続ネタおろし独演会「桃花三十一夜」を池袋演芸場で開催、大成功をおさめる。

【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No.16からの転載】