-今回は、全編がナヴィでの登場でした。画面に素顔が出ない気持ちは? 別の自分になったような感覚になるのでしょうか。
ワーシントン 前作も本作も、常に自分だと思って見ています。技術面での革新があり、より豊かで深い自分がそこにいると言えると思います。ポスターに映っているのも自分だし、劇中で水中にいるのも、泣いているのも、怒っているのも、全部自分だと思っていますが、技術の進歩で、そうしたものが、以前よりも、さらに的確に表現されていると思います。アニメーションに声を当てるような感じではありません。“未来型のメーク”といったイメージです。
-ラングさんは、悪役を演じる楽しさは感じていますか。
ラング ストーリーにダイナミックさを与えるには、悪役の存在は必要だと思います。ヒーローはみんなの共感を呼ぶキャラクターですが、ヒーローが輝くためには、悪役が必要です。悪役は、恐怖や不安、痛みを引き起こします。私はそれを起こす役。そこが楽しいです。ただ、私は単に、自分が演じているキャラクターの気持ちを代弁しているだけで、悪役だと思って演じているわけではありません。使命がある人として演じています。また、現実の生活ではしてはいけないことができるところも魅力です。クオリッチはごう慢で偉ぶっています。現実ではそれは許されませんが、こういうストーリーの中では彼のような存在が生きるのです。
(取材・文・写真/田中雄二)