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シガーニー・ウィーバー「14歳を演じるのではなく、14歳のキリに成り切るという作業でした」『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』【インタビュー】

-今回は、50歳以上も年の離れたティーンエージャーとの共演がありましたが、いかがでしたか。

 もちろん、彼らとの共演を楽しみましたが、今回は私もティーンエージャーの一人をやったので、彼らと同じグルーブになるわけです(笑)。彼らはとても才能にあふれていて、とても仕事熱心です。ジェームズ・キャメロンのために仕事をするというのは、そういうことが必要なんです。とてもレベルの高いところを目指さなくてはならないのに、ジムをがっかりさせたくないから、一生懸命にやるんです。本当に彼らは、素晴らしいグループで、私も一緒になって楽しみました。

-ジェームズ・キャメロン監督の印象と、何か彼の意外な一面があれば教えてください。

 ラッキーなことに、彼とは長年にわたって付き合いがあります。『エイリアン2』(86)のときは、とても真面目で、何かに突き動かされているようなところがありました。彼は完璧主義者で、科学者でもあって、いろいろな技術も開発しています。ところが、『エイリアン2』の後で、一緒にツアーに行ったときに、食事をしながら話していたら、「真面目だと思っていたのに、何て面白い人なの」と気付きました。つまり、彼はそうした面を私に隠していたんですね。皆さんが、彼に関して知らないところは、今とてもハッピーな家族に恵まれていて、子どもたちから謙虚さを学んだと言っています。それによって遊び心が出てきたと思います。彼は、才能にあふれたとても楽しい人です。

-これまで、『エイリアン』や『ゴーストバスターズ』、そしてこの『アバター』など、SFや超現実を描いた映画に多く出演していますが、そうした映画への思いは。そして、その中でも『アバター』は特別なものになるのでしょうか。

 『アバター』はほかの作品とは全く違います。SF映画といえば特殊効果が話題になりますが、全く使っていないものもあります。この映画では、家族のストーリーが中心にあって、とても普遍的なテーマを描いています。その意味では、こうした未来を描いた話の中でも、とてもユニークなものだと思います。また、若者たちが「自分は誰なのか」「人間とはどういうものなのか」と考えるきっかけになるとも思うし、描いているのはナヴィの世界ですが、とても人間的なストーリーだと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

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