-特に印象に残っている高藤のせりふはありますか。
舞踏練習会の発足式の開催が決まった後、寿恵子さんとダンスの練習をするシーンがあるんですが、そのとき、とても自信満々で傲慢(ごうまん)なことを言うんです。僕はそのせりふがものすごく好きで、最初に読んだときは笑ってしまいました。「本気なんだろうな、この人」と(笑)。それと、第11週でも寿恵子と一緒に食事する際、自信満々なせりふが出てきます。その二つが、最初に高藤を形作るヒントになりました。多分ここに高藤の本音があるので、それをどううまく隠しながら進めていこうかなと。そこから逆算で作っていきました。ぜひ注目してください。
-今後は寿恵子とダンスするシーンもありますが、寿恵子役の浜辺美波さんの印象は?
ダンスの稽古は撮影の2カ月ぐらい前から始まりました。ミュージカル俳優同士の場合、ダンスや歌など、「初めまして」でいきなり触れ合ったりするスキンシップは普通なので、みんなオープンマインドなんですけど、お芝居畑の方とやると、そこの取っ掛かりで皆さんちゅうちょするんです。浜辺さんも、ダンスに対して苦手意識があったらしく、そのせいか僕の目にはシャイに映ったので、最初は距離を測りながら接していきました。でも、ふたを開けてみたら、とても話好きな方で。最終的には“ヤバ藤”と呼ばれるようになり、「ガンガンきますよね、高藤って。本当に“ヤバ藤”ですよね」みたいなことを言われたので、とてもかわいらしいオープンな方だなと(笑)。
-それでは最後に視聴者へのメッセージを。
僕は愛情を持って高藤という役を演じていますが、話が進めば進むほど、視聴者からは駄目な男に映ると思うんです。だから、優しい目で見守っていただけたらと思います。ただ、作品の中では万太郎と寿恵子さんが結ばれるための起爆剤的な役割なので、皆さんの反響を見ながら、自分がきちんと仕事を全うできたか確認していこうと思います。ぜひ今後もSNSでいろんな意見を書いていただけたらうれしいです。
(取材・文/井上健一)