-それは、ご自身にとってどんな経験になりましたか。
撮影が終わってからダンスの練習に行くことも多く、「足が重いな」と感じることもあったのですが、一度も休まずに通うことができました。当たり前と言えば当たり前ですが、逃げずに頑張れたことは、自分の中でささやかな自信になりました。それも、伊礼さんがいてくれたおかげです。伊礼さんの明るさや前向きな姿勢にすごく助けられました。私は人見知りの部分があるのですが、今回そうやって伊礼さんとすてきな関係性を築くことができたので、これからも初対面の方といい関係性を築いていけたらという希望にもなりました。
-今後、万太郎と寿恵子は夫婦として歩んでいくことになりますが、長い人生を演じるのは朝ドラならではの特徴です。その点、役者として面白さややりがいをどう感じていますか。
この先どうなっていくのか、私にもまだ分からないことが多いんです。ただ、山あり、谷あり、いろんなことが起きる中、それを乗り越えて成長しつつ、17歳の寿恵子とは違った物ごとの捉え方をしていくんだろうなと思っています。神木さんからは、今後どう演じていきたいのかのお話を伺っているので、メークなども含めて、寿恵子はどうしようかと考えているところです。母親になったときは声もやや低くしてみるなど、女性ならではの成長を見せられたらいいなと思っています。私自身も楽しみです。
-撮影が進む中で、17歳の頃の寿恵子との変化をどのように感じていますか。
17歳の寿恵子を演じるときは、監督から「時代劇ということは意識せず、今の高校生ぐらいの感覚で、もっとキャピキャピした感じに」と言われていたので、少女性みたいなものを重視していました。今振り返ってみると、だいぶふわふわした感じです。現在は結婚後の場面を撮影中ですが、家庭を支えながら、すぐに植物採集に行ってしまう万太郎さんの代わりにお金のやりくりもしなければいけません。なので、少女のままではいられないという強さが出始めたところかなと思っています。
-最後に、これからの見どころを教えてください。
波瀾(はらん)万丈な万太郎さんと一緒なので、順風満帆に進むわけはなく、高知へ行ったり、また東京に帰ってきたりと、いろんなことが起きます。そういったさまざまな出来事を2人が前向きに乗り越えていく姿が見どころです。寿恵子としては、万太郎さんが起こすいろんな波を一緒に乗り越えていくことで、女性として、1人の人間として、成長していけるのではないかと期待しています。視聴者の皆さんに、さらに元気を感じていただけるような作品を目指していきます。応援よろしくお願いします。
(取材・文/井上健一)