-ある意味、西野さんにとっては挑戦的な役柄でしたか。
西野 こういう川奈みたいな役柄は今まであまりやったことがなかったので、見る人によっては新鮮に感じてもらえると思います。
舘 「この役をやったら“二枚目女優”としてはもう成立しなくなるかもしれないけど大丈夫?」って心配して聞いたら、「大丈夫です」って。でも俳優としての幅を広げるという意味ではいいのかなと思いました。
-舘さんにとって、今回の西野さんのような若い人たちとの共演はどんなイメージなのですか。
若い人が持っている感性は、僕らには全くないものなので、それを信じていくというか、乱暴な言い方をすると、若い人から学んでしまおうみたいなことが大事なのかなと思います。僕らも長いこと俳優をやっている中で、忘れてしまったことや、気が付かないことがいろいろとあります。でも、それを若い人たちが持っていたり、いろんなことを投げかけた時にも、自然にできてしまう。僕らの若い時よりも、お芝居に対するテクニックやうまさが違います。僕らはもっと不器用だったような気がします。とにかく「芝居はするな。せりふなんか覚えてこなくてもいい、存在感だけで見せろ」という時代でしたから。今はそれだけでは駄目になってきて、そういう意味でも、今の若い人たちにはお芝居では全くかなわないので、そこは彼らの力を借りてやっていくことになるのかなという気がします。
-西野さんは、舘さんとの共演はプレッシャーもあったのではないですか。
西野 最初はやっぱり難しいと思いました。「舘さんにそんなこと言えないよ。できるのかな」みたいな感じでしたが、現場で舘さんが「もっと冷たくていいよ」みたいなことを度々おっしゃってくださったので、こちらも遠慮なく演じることができました。
-南条のライバルの尾崎誠を演じた宇崎竜童さんとの共演はいかがでしたか。
舘 この映画の前に『港のひかり』(25)でもご一緒したんですけど、彼の持っている存在感が支えてくれたところがあります。2人の関係性は、表面的には憎しみ合っているように見えるけれど、心の底ではつながっている。それをどう表現するのかが難しかったです。南条が尾崎の入院している病院に行って「誠、生きろ」と言うのですが、そこに行くまでの2人の描写が全くないんです。なので、そこをどういうふうに見せるのかは苦労しました。でも、相手が宇崎さんだったからできたのかなと。2人がオートバイで並んで走るシーンは、『イージー・ライダー』(69)のイメージです。ピーター・フォンダとデニス・ホッパー。2人のぶつかり合いみたいな。すごく力強い2人がいるので、相手が宇崎さんで本当によかったと思いました。
-完成作をご覧になったと思いますが、セルフパロディーのようなところにご自分で照れてしまうようなところはありましたか。
舘 照れたりはしませんでしたけど、やっぱりここはもうちょっと押せばよかったかなと思ったところやあのせりふはこう言えばよかったなというところはありました。だから、本当に面白いのは、西野くんだったり、吉田鋼太郎さんだったり、そういう周りの人の方だと思います。何回も声を出して笑ってしまいました。
-これから映画を見る観客や読者の方に向けて一言ずつお願いします。
舘 僕の中では、30年前の『免許がない!』の南条が再び『免許返納!?』に帰ってきたと思っています。それを楽しんでもらいたいと思います。それから今までにない西野くんが見られると思いますよ。
西野 やっぱり私は、舘さんのコミカルなところが一番の魅力だと思うので、そこを楽しんでもらいたいと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)








