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【がんを生きる緩和ケア医・大橋洋平「足し算命」】天空を見上げて

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2026年7月27日=2668
*がんの転移を知った2019年4月8日から起算


 ここ最近、皆さんはいかがお過ごしでいらっしゃいますか。「今日も暑いですねぇ」となるところだが、わが地元はちょいと違う。

 「今日は何度まで上がったん」

 これがわが職場・病院ならば、体温の会話かとなりましょう。ところが今や体温ではなく、話題の中心は気温だ。何せわが地元は、40度超えの日が連続する。時には日本一にもなる。ということで、本日も三重県の「桑名(くわな)」からお届けしてます。

 桑名は酷暑の時期になるとニュースに取り上げられる。温度に比例して知名度も上がると喜ぶ人間もいよう。でもわたくし、特に抗がん剤治療中の現役がん患者にとっては、あんまりうれしくない。それにこれだけ暑いと地元の名産・ハマグリかて料理前からすでに焼かれ状態になっちゃう・・・

▽「きぼう」を目視

 さて先日、こちらも多くの人が見上げご覧になったんやないでしょうか。それは国際宇宙ステーション。その一部に日本実験棟である「きぼう」が存在している。

 国際宇宙ステーションは高度地上400キロメートルを北西の方向から東に向かって移動している。90分で地球を一廻りするという高速だ。地球の一周は約4万キロメートルとされてるから時速は何と、2.7万キロほど。時速500キロと言われているリニア中央新幹線のおよそ50倍以上。想像でさえ追いつかない。それが肉眼で見える瞬間があるのだ。

 7月24日金曜よる8時55分ごろやった。天空を見上げ、そして見入ってしまった。途中に雲があったのだろう、真上近くを通過する辺りで魅入られたブツは消えてしまった。時間にして2分間弱、でも記憶に刻まれる大きな時を頂戴した。

▽花火大会も同時開催

 まだ続きがあります。翌25日土曜も再び観察できると知った。通過位置が7/25の北陸から関東へ向かう経路と比べて少し北上する。7/26は秋田・山形あたりから宮城へと通過するため地元三重からは離れることになり見え方は小さくなるだろうけれど、再会できるかもとワクワクして夜を迎えた。時刻は少し早まり20時7分ごろ。

 すると・・・見えてきました。なるほど前日よりは小さい。でもこの時は上空に雲が無いためか2~3分間あまり見えた気がする。方向も同じく北西から東の遠くまで、ただ全体には昨日と比べて北よりだった。上空400キロの高さを時速2.7万キロで動くブツを2度も見れるなんて。「きぼう」に出会えて嬉し~い! がん発病してから心身ともに弱っている己とは言え、生きてこられて本当に良かったぁ。

 因みに土曜夜は、当地で桑名水郷花火大会が開かれていた。午後7時30分から9時ごろまで。わが住まいからも真西の空にその輝く火が見える。幼少の頃からもう何十回と見たことだろう。でも今年は違う。真西ではなく北西から東の天空を見上げてた。

▽左腕の痛み

 ただし生きておればエエことばかりやなく、アカンこともある。左腕の痛みも引かない、続いている。強さが大いに増すことさえある。左では物が持てない。恐れているがんの影響かも。

 痛みが出始めた頃の検査では転移ではない、と診断された。しかし4カ月も前のことだ。詳しい検査はまだ受けてない。

 次の整形外科診察の際には主治医に相談してみようか。でも検査の結果が怖い・・・医者も患者になればかような具合です。

 こんな優柔不断な己だけど、動く光のブツ「きぼう」から生きる力、生きる希望をもらった。

 ところで昨年10月にわが書を出版すること叶いました。「がんになった緩和ケア医が、本気でホスピスを考えてみた」(双葉社より、税込み1650円)もしも関心をお持ちくださったならば手に取っていただけますと甚だ幸いでございます。またユーチューブらいぶ配信、こちらもしぶとく続けてます。チャンネル名「足し算命・大橋洋平の間」。配信日時が不定期なためご視聴しづらいとは察しますが、気ぃ向かれましたならばお付き合いくださいな。ご登録も大歓迎。応援してもらえると生きる力になります。引き続きご贔屓のほど何卒よろしくお願い申し上げまぁす!!

(発信中、フェイスブックおよびYouTubeチャンネル「足し算命・大橋洋平の間」)


おおはし・ようへい 1963年、三重県生まれ。三重大学医学部卒。JA愛知厚生連 海南病院(愛知県弥富市)緩和ケア病棟の非常勤医師。稀少がん・ジストとの闘病を語る投稿が、2018年12月に朝日新聞の読者「声」欄に掲載され、全てのがん患者に「しぶとく生きて!」とエールを送った。これをきっかけに2019年8月『緩和ケア医が、がんになって』(双葉社)、20年9月「がんを生きる緩和ケア医が答える 命の質問58」(双葉社)、21年10月「緩和ケア医 がんと生きる40の言葉」(双葉社)、22年11月「緩和ケア医 がんを生きる31の奇跡」(双葉社)、25年「がんになった緩和ケア医が、本気でホスピスを考えてみた」(双葉社)を出版。その率直な語り口が共感を呼んでいる。


このコーナーではがん闘病中の大橋先生が、日々の生活の中で思ったことを、気ままにつづっていきます。随時更新。