カルチャー

デジタルアーティスト・漫画家・イラストレーターなどを目指す若者たちをサポート  上月財団、2024年度「クリエイター育成事業」募集スタート

 クリエーター(デジタルアーティスト・漫画家・イラストレーターなど)を目指す若者を応援する上月財団 (東京)の第21回(2024年度)「クリエイター育成事業」の募集が、2月19日にスタートした。クリエーターを目指す15歳~25歳ぐらいまでの若者を対象に、年額60万円の助成を行い、創作活動に役立ててもらう。2004年の事業開始以来、延べ670人への助成を行い、第一線で活躍する漫画家・アニメーション作家・画家・美術作家などを多数輩出している。

 手塚プロダクションの松谷孝征社長、アニメーション分野で幅広く活躍している東京藝術大学大学院映像研究科の伊藤有壱教授、コナミデジタルエンタテインメント プロモーション企画本部の車田貴之本部長をはじめ、クリエーターの分野に精通した有識者による厳正な選考を行う。

 助成期間中は、全8回(予定)の課題作品を制作する。一部の作品は、スポーツ競技大会等のポスターやパンフレットへの作品使用を通して紹介していく。株式会社共同通信社が加盟新聞社や民間企業・団体、官公庁向けに発行する会員制週刊誌「Kyodo Weekly」の表紙イラストに使用されたり、同社主催で学校の夏休み期間中に開催される「大昆虫展 in 東京スカイツリータウン®」で、「昆虫」をテーマに描いた作品をパネル展示したり来場者に作品のポストカードを配布したりする機会もある。

過去の二次選考会・実技審査の様子

 現在、週刊少年サンデー(小学館)で『白山と三田さん』を連載している漫画家・くさかべゆうへいさんは、同事業の認定を3度にわたって受けた。視野を広げ見聞を深めることに助成金を活用し、作品づくりに集中。これまでに数々の個性的な作品を発表し、目覚ましい活躍をしている。

くさかべゆうへいさんからのメッセージ

 漫画家・あずみきしさんも、同事業の認定者。さまざまな理由でこの世を去った者たちが最初に訪れる“シ役所”が舞台の『死役所』が、月刊コミックバンチ(新潮社)に連載中で、テレビドラマ化もされている。未来のトップクリエーターたちへ「全ての経験が糧になる。回り道を恐れずに、いろいろなことにチャレンジしてほしい」とエールを送っている。

あずみきしさんからのメッセージ

 別冊少年マガジン(講談社)で『神さまの言うとおり』でデビューした漫画家・藤村緋二さんは、同事業の助成を受けていた当時「10年後、どんな漫画家になっていたいかを考えていた」と語る。同作品は映画化もされ、新連載のほか個展の開催など活動の幅を広げ、挑戦を続けている。

藤村緋二さんからのメッセージ

 募集は5月7日まで(必着)。一次の作品選考(6月予定)、二次の実技審査・面接(7月予定)を経て、約30人の助成対象者を決定。2024年8月から2025年7月までの1年間、年額60万円を助成する。また、年1回程度、認定を受けた人たちが交流を深め、日頃の創作活動を報告する成果発表会の開催を予定している。同財団ホームページの「クリエイター育成事業 募集要項」のページから、要項や申請書などがダウンロードできる。問い合わせは「上月財団」、TEL:(03)5414-2811、FAX:(03)5414-2812、E-mail:edu@kozuki-foundation.or.jpまで。

 上月財団は、コナミグループ(東京)創業者で代表取締役会長の上月景正氏が創設。40年にわたり、スポーツ・教育・文化の振興と発展、より良い社会の形成など公益の増進を促す事業を展開している。