ウイスキーといえば、かつては「水割り」が定番だったが、近年は「ハイボール」の方が飲まれているという。サントリーは2月13日、ハイボール需要は今後も伸び続けるとして、東京都内で「ハイボール缶戦略説明会」を開催。人気ブランドの「トリスハイボール缶」の新商品を投入し、CMに俳優の永野芽郁さんを起用した「おうちでハイボール」というメッセージを打ち出す方針を明らかにした。
▽「おじさんの酒」から脱却
説明会に登壇した塚原大輔スピリッツ本部長は「以前はウイスキーを『おじさんの酒』という古くさいイメージがあった」と指摘。低迷が続いていた2009年に「角ハイボール缶」を発売したことでハイボールブームが起き「ウイスキー市場が復活した」と振り返った。
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サントリーはその後も2010年にトリスハイボール缶、15年にジムビームハイボール缶を発売するなどラインアップを拡充。限定発売した「白州」や「山崎」といった高級ウイスキーのハイボール缶も評判になり「ハイボール缶市場の93%はサントリー商品が占める」と胸を張った。
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▽1杯目からハイボール
さらに、以前は飲み始めがビールでハイボールは2杯目以降に飲まれていたというが、1杯目からハイボールを飲む人が増え、“1杯目派”が2024年には20年の約1.8倍に伸びたという。こうしたことを背景に25年は、4月22日に新商品として「トリスハイボール缶〈やわらか〉」を発売し「さらなる需要拡大を目指す」とした。
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ハイボール缶といえば「角ハイボール」が知られるが、サントリーによると、20代から60代まで全世代で「角」より「トリスハイボール缶」が飲まれているという。現在トリスブランドでは「トリスハイボール缶」(アルコール度数7%)と「同〈美味(おい)しい濃いめ〉」(同9%)などの定番商品があるが、新発売する〈やわらか〉は、度数4%で「すっきり軽めの飲み口ながらウイスキーの余韻を味わえる」として新たな消費者ニーズに応える。
▽ポテンシャル
説明会に登場した永野芽郁さんは、仕事が終わった後など日常的に“おうち飲み”をしているといい「(CM出演で)歴史があるトリスの仲間入りできたので、もっと広めていきたい」と話した。
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塚原本部長は「ハイボール缶には、まだまだポテンシャルがある」と話し、今後の年間売り上げ計画について、年平均4%成長を継続し「2024年の1985万ケースから30年には2500万ケースを目指す」と強気の姿勢を示した。