錠剤やカプセルをプラスチックとアルミで挟んだPTPシート(おくすりシート)のリサイクルの実証実験を進めている第一三共ヘルスケア(東京都中央区)は、2022年10月から23年4月までの半年余りで、使用済みシート28万枚相当(約280kg)を回収した、とする中間結果を発表した。当初目標は23年9月末までに10万枚だったが、約半分の期間で約3倍の量に達した。同社の担当者は「各所より問い合わせをいただき、関心の高さがうかがえた。回収拠点の拡大を検討し、持続可能なものとなるよう尽力する」としている。
医薬品包装資材として欠かせないおくすりシートは、同社によると国内だけで年間1万3000トンが生産され使用されている。高齢化の進展に伴い使用量の増加が見込まれることから、同社と国際的リサイクル企業の日本法人テラサイクルジャパン(横浜市)は、使用済みシートを回収しリサイクルする「おくすりシート リサイクルプログラム」を、22年10月20日に開始した。同プログラムには横浜市も協力している。
使用済みシートを、横浜市内の一部薬局や公共施設などに設置した回収ボックスに入れてもらい、回収したシートのプラスチックとアルミを分離し、プラスチックはペレット化、アルミは溶融してリサイクルする仕組み。シートは、薬局・ドラッグストアなどで購入した薬、病院・クリニックで処方された薬など、購入場所に関係なく、全てのメーカーのシートを対象としている。
「おくすりシートがリサイクル資源であることの認知を高め、資源として循環する仕組みを確立することが目的」(第一三共ヘルスケア)で、当初目標は「回収10万枚、回収拠点30カ所」だった。プログラムが始まると薬の服用者や関連業界、教育機関などから問い合わせが相次ぐなど反響は大きく、23年4月末に「28万枚、40拠点」を達成。この結果を受け、目標を「50万枚、60カ所」に上方修正した。