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日本の貿易の99%を支える海運をもっと知ってほしい 海の日に商船三井が大型貨物船見学会

「海の日」に商船三井が大型貨物船見学会

 日本は、さまざまなモノを世界と貿易している。しかしその輸送がほとんど船によるものとは、意外と知られていないのではないか。日本は島国なので、考えてみれば当たり前だが、輸送手段の実に99.6%が船と聞くとびっくりする人も多いのでは。

 船を使って物資や人の輸送を行うことを海運という。食べ物や衣服、エネルギーのもととなる石油や天然ガス、自動車のような工業製品など、日々たくさんのモノが日本の港に届き、港から世界に運ばれていく。そんな海運業を知ってもらおうと、商船三井は海の日の7月15日、東京国際クルーズターミナルで自動車運搬船(自動車船)の見学会を開催した。自動車船とは、自走できる自動車や建設機械などの貨物を輸送するために造られた船で、この日公開されたのは、二酸化炭素の排出を抑えるLNG(液化天然ガス)燃料で動く「ターコイズエース」。全長199.95m、高さ51.5mという巨大な貨物船だ。

東京国際クルーズターミナルの建物(左)よりずっと大きい「ターコイズエース」。自動車船は独特の船型で風圧を受ける面積が大きいので、燃費効率を上げるため船首を斜めにカットしている

 

 約500人の参加者は、船と岸壁を橋渡しする貨物用の出入り口を歩いて船内へ。車をたくさん積み込むため立体駐車場のように何層にも分かれている自動車船の中を、12階にあるブリッジ(船を操縦する場所)まで移動した。ブリッジにはかじをとるハンドルやレーダー、GPSなどの機材が並ぶ。「1リットルの燃料で船は何m進む?」(答えはわずか7m)といったクイズを交えながら船の仕組みの説明を受け、続けて船長室、船員の個室、コックが食事を作るキッチンなどを見学した。

船員の個室部屋。室内にシャワー設備も

 

船長室。3日前に就航したばかりとあって船内はどこもきれい

 

 その後、自動車を積み込む貨物デッキへ。同社では年間約270万台の日本の自動車を、約100隻の船隊で世界に輸出している。乗用車だけではなく大型バスやトラックも積めるように車高に合わせてデッキ自体の高さを調節できるようになっていたり、貨物デッキの床には航海中に自動車が動かないようにベルトで固定するための穴が開いていたりと、随所に効率性と安全のための工夫がなされていた。

貨物デッキでは自動車の積み付けを実演。専門のスタッフが、前後30センチ、左右10センチの間隔で積み荷の自動車を次々と移動させていく

 

 50mもの高さの貨物船は、見たこともなければ乗ったこともなかった筆者に、「外国を航海する大きな船を、近くで見る機会はなかなかない」と同社の竹崎弘倫常務執行役員。「お子さんにもぜひ見てほしいと思っていた。この機会に海運をぜひ身近に感じていただきたい」と見学会の意義を語った。