ふむふむ

複数年契約を導入 米の生産・流通で JA全農の金森正幸常務が講演

 共同通信加盟新聞社の記者らが参加する「めぐみフォーラム」(主催:共同通信アグリラボ)は8月1日、全国農業協同組合連合会(JA全農)の金森正幸・米穀農産事業担当常務理事を講師に招き、「米の生産・流通について」と題してオンライン講演会を開いた。

 金森常務は、食用米等の需要量と作付面積など、米の生産と消費の現状を概観し、流通経路、概算金、委託販売、買い取り販売、共同計算などJA(農業協同組合)米の取引の仕組みやJA全農との役割分担について説明した。


 その上で、JA全農による24年産米の集荷量が大きく減少し、安定取引に支障が生じた反省を踏まえ、25年産から新たに導入した「営農継続可能な契約栽培取引」を紹介した。これは、生産者とJAの2者、またはJA全農を加えた3者で、原則3年の複数年契約を結び、営農の継続が可能な価格を保証する仕組みで、生産と流通の結び付きを深め、JAの集荷機能を強化し、営農の安定と取引先への安定供給を確保するのが狙い。

 このほか、政府備蓄米について、出荷・輸送体制を再構築し、供給の拡大を加速するなど、最近の取り組みを紹介した。