
日本の給与所得者の多くは会社で年末調整をしていて、確定申告をする必要がない。サラリーマンで確定申告が必要な人は、給与収入が2000万円を超える人や不動産・株式・仮想通貨の売却益がある人など、特定のケース。国税庁は「副業など給与以外の所得が年間20万円を超える人」も確定申告が必要と定めている。働き方が多様化し、会社員であっても副業・兼業を行う人が増えている昨今、給与以外の年間所得が20万円を超えて確定申告が必要になるこのケースは増加中だ。ところが、申告の必要性や手続き方法を十分に理解できていない人もまだ多いという。副業を許可している企業側も、確定申告は従業員任せとなることが多く、結果として申告漏れのリスクや税務上の不備を抱える可能性が出てくる。
一方、確定申告には「払いすぎた税金を取り戻す(還付を受ける)手続き」という側面もあり、医療費控除やセルフメディケーション税制やふるさと納税(寄付金控除)などの制度を利用すれば税金が戻ってくることがある。それにもかかわらず、手続きの煩雑さなどで確定申告をしていない人もいるという。実際に、ふるさと納税では寄附者の約4分の1が控除を十分に活用できていないという調査結果もある。
これらの課題を解決するため、会計バンク(東京)はベネフィット・ワン(東京)と業務提携契約を締結。会計バンクが提供・運営する確定申告アプリ「FinFin」を「ベネステ確定申告 Powered by FinFin(以下「ベネステ確定申告」)」としてベネフィット・ワンの福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の利用会員約1220万人を対象に、11月27日(木)から提供を開始した。
この確定申告アプリは、業界初となる医療費控除・セルフメディケーション税制・ふるさと納税などの各種控除申告を、書類のアップロードのみで申告書に反映する「まるなげ控除」機能を搭載。そのほか、最適な申告モードを提案してくれる「あなたにぴったり申告診断」や、どれくらい控除が受けられるかシミュレーションできる「控除シミュレーション」、確定申告が必要になるラインを一目で確認可能な「年収の壁チェック」といった機能も装備。申告初心者でも簡単・安心に確定申告が行える設計となっている。
今回の提携について、会計バンクの常務取締役COO小林紳一氏は、「確定申告の煩雑さはまさに現代社会が抱える重要な課題。私たちは多くの方が感じる不安や負担を解消し、『分からなくても、知らなくてもできる』世界観を目指します。今後も、確定申告の民主化・全自動化を目指して、働き方の多様化や社会全体の課題解決に寄与してまいります」と抱負を表明。そして今回のベネフィット・ワンとの業務提携は、会社員の多様な働き方へのタッチポイントとして非常に大きな意義を持つと語る。
一方、ベネフィット・ワン執行役員沢田雅浩氏は、「確定申告は多くの方にとって複雑で、心理的・時間的な負担が大きい領域です。この負担を極力小さくし、本来受けられる控除や還付を確実に届けることは、働く一人一人の可処分所得を守るだけでなく、企業の生産性向上や従業員満足度の向上にもつながると確信しています」とコメント。今回リリースする「ベネステ確定申告」は、単なる利便性の向上にとどまらず、社会制度と働く個人をつなぐ“新しいインフラ”をつくる取り組みだとしている。









