カルチャー

いや、これすごくいい話でしょ。 小山薫堂氏とハービー・山口氏による「印刷と私」トークショー映像公開

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 「業界団体の表彰式で行われたトークショーなんて退屈そう・・・」。そう思う気持ちはわからないではないが、これを見逃してしまってはもったいない。あのくまモンの生みの親にして、現在大ヒット上映中の映画『湯道』の企画・脚本を手掛けた小山薫堂氏と、数々の奇跡的な瞬間を撮り続けてきた写真家・ハービー山口氏のトークセッションなのだから。

 一般社団法人日本印刷産業連合会(東京、通称「日印産連」)グリーンプリンティング認定事務局は、小山薫堂氏とハービー・山口氏による「印刷と私」トークショーの映像をオンラインで配信、公開した。

 山口氏は、有名になる前のダイアナ妃、「カルチャークラブ」のボーイ・ジョージ、パンクバンド「クラッシュ」のジョー・ストラマー、F1ポルトガルグランプリでリタイアした際のアイルトン・セナなど、運よく撮影できた写真の実例を紹介。

有名になる前の若き日のダイアナ妃を撮影したときは、これぐらいの距離だったと話すハービー・山口氏(写真左)
有名になる前の若き日のダイアナ妃を撮影したときは、これぐらいの距離だったと話すハービー・山口氏(写真左)

 さらに、偶然乗ったタクシーの運転手の写真を撮らせてもらったら実は無名のパンクバンドのドラマーで、山口氏との出会いがきっかけで武道館ライブが満杯になった例や、新幹線で偶然、前の席に座った女性を撮らせてもらったら、彼女のSNSのフォロワーは数人しかいなかったのに、その写真が120万人に見られた。しかもその女性は実はショパンコンクールに出たピアニストだった。などの驚きのエピソードも紹介している。

 写真の撮影が大好きだという小山氏が、「ハービーさんの作品は素敵な写真が多い。よくこんな瞬間を捉えられるなと思うんですが、どうすればああいう場に出くわすんですか?」と質問。山口氏の答えは「人間力を鍛えること。大谷翔平選手はグラウンドでゴミを拾うでしょ。科学では解明できない。いい写真を撮るんだという情熱に応じてシャッターチャンスの数は増える」という意外なもの。

 印刷業界で働く人に向けたトークショーだが、働く人すべて、いや日本人すべてに、何なら世界中のすべての人に見てほしいと思うほど、素晴らしい内容だ。会話の中で山口氏は、「人物写真を撮る最高のテクニック」を惜しげもなく明かしているが、その答えがまた心を打つ。それが何なのかはぜひ映像を見て確認していただきたい。

「2022GP環境大賞ゴールドプライズ」を受賞した東京都の小池百合子知事(中央)。写真右は日印産連の北島義斉会長、写真左はグリーンプリンティングPR大使の小山薫堂氏
「2022GP環境大賞ゴールドプライズ」を受賞した東京都の小池百合子知事(中央)。写真右は日印産連の北島義斉会長、写真左はグリーンプリンティングPR大使の小山薫堂氏

 日印産連は、2006年に「グリーンプリンティング(GP)認定制度」を創設。環境配慮された印刷工場や資機材を認定したり、認定工場が製造した印刷製品にGPマークを表示したりするなど、いち早く地球環境への負荷低減に取り組んできた。日印産連では、このGP認定制度に対する深い理解と同制度の積極的な活用が認められる企業や団体に、「GP環境大賞」「GPマーク普及大賞」「GP資機材環境大賞」を毎年授与しており、2017年から毎年、その表彰式で「印刷と私」トークショーを行っている。2022年度のGP環境大賞等表彰式ダイジェストはYouTubeで視聴できる。

GPマーク
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