カルチャー

出前を見つめる子どもたちを描く絵本 アメリカ絵本界で受賞した『じてんしゃにのった そば』が発売

 “フードデリバリー”が当たり前になった昨今、そばの器を段重ねして自転車に乗る出前の姿は見かけなくなってしまった。でも、時折海外でシェアされるかつての写真や絵本は、かなり人気がある。アメリカ絵本界で最高レベルの賞、コールデコット・オナー賞を受賞した『じてんしゃにのった そば』(原題:NOODLES ON A BICYCLE、キョウ・マクレア/文、グレイシー・ザン/絵、あさ出版、税込み1870円)が、11月18日(火)に発売される。

 東京の自転車配達人、通称「出前」の姿と、彼らを見つめる子どもたちを描いた絵本。湯気の立つ熱々の麺を乗せた大きなトレーを高々と重ねて肩に担ぎ、混雑した街中をさっそうと走る姿を通して、働く人の誇りや家族のぬくもり、そして街に生きる人々の息づかいがあふれている。コピーライターの糸井重里さんは、「自転車が創ってきた物語はたくさんあるが、日本のそばやさんとの共作は、忘れられない」と推薦している。