「移民」という言葉の定義はなかなか難しい。日本に住む“外国人”の一部を何となくそう呼んでいる場合も少なくないし、人口減少時代の「労働力」として捉えたり、逆にSNSなどの不確かな情報で“ヘイト”に走ったりと、移民を取り巻く環境は複雑になっている。龍谷大学(京都市)は、公式サイトのメインコンテンツ「BEiNG」の最新号で、「『移民』は労働力ではなく”人間” 共生社会への第一歩を考える」を公開した。
スロバキア出身の国際学部デブナール・ミロシュ准教授が監修。「移民」という言葉は日常的に使われる一方で、多くの誤解やステレオタイプを生んでいる現状がある。記事では、そもそも「移民」とは誰のことなのか、差別撤廃を実現するのは「善意」ではなく「仕組み」であること、分断を越える「社会的想像力」の養い方などについてミロシュ准教授が語っている。移民の多様な実像を捉え、これからの多文化共生社会のあり方を考えるきっかけをつかめる。
政府では、移民がテーマとなる技能実習制度の廃止と「育成就労」制度への移行準備、特定技能制度の拡充などが議論され、移民を「単なる労働力」ではなく「人間」として尊重する方向性が示されている。










