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空間の響きをドローン・スピーカーで ローランドがピアノのコンセプト・モデル発表

これまでにない立体的な音場を実現する「創業50年記念コンセプト・モデル・ピアノ」のイメージ
これまでにない立体的な音場を実現する「創業50年記念コンセプト・モデル・ピアノ」のイメージ

 緊急時に使う拡声スピーカーではなく、美しい音を奏でるピアノの響きのためのドローン・スピーカー。ちょっと聴いてみたい。ローランド(浜松市)は、創業50年を記念して昨年発表した電子ピアノのコンセプト・モデルの機能を強化、より立体的で自然なサウンドを実現するアップデート・バージョンを、世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2023」(米・ラスベガス)で発表した。

「360度スピーカー・システム」のイメージ
「360度スピーカー・システム」のイメージ
スピーカーの組み込みイメージ
スピーカーの組み込みイメージ

 このコンセプト・モデル・ピアノは、国産のナラ材を採用し、温かみのある木目調を活かした丸みを帯びたデザインが特徴。同社の歴代ピアノや最新のピアノ音色を内蔵し、自然なタッチとレスポンスを楽しめる鍵盤を搭載している。

ドローン・スピーカーによる立体的な音場のイメージ
ドローン・スピーカーによる立体的な音場のイメージ

 アップデート・バージョンは、ピアノの鍵盤ふたとトップサイドに合計14個のスピーカーを配置した「360度スピーカー・システム」。あらゆる方向に発音可能なスピーカーは、それぞれ個別に音量を調節することができ、従来のステレオ・スピーカーを搭載している電子ピアノに比べて立体的で臨場感あふれるピアノ・サウンドを実現する。

ドローン・スピーカーのイメージ
ドローン・スピーカーのイメージ

 さらに、ピアノ本体から発せられる音だけでなく、壁や天井などに反射して生じる空間の響きを再現するために、ピアノの周囲に浮遊するドローン・スピーカーの使用を構想。最新のドローンに取り付けたスピーカーから音が降り注ぐことで、演奏者を包み込む圧倒的な音場を生みだすことができる。

 もっとも、ドローンといえばあのプロペラ・ノイズが気になるところ。そこで音の遅延の少ない独自のワイヤレス技術を採用し、静かに飛びかつ移動する将来のドローンと、スピーカーを組み合わせたシステムの実現に向けて開発を続けているという。

CES 2023会場でのデモ演奏の様子
CES 2023会場でのデモ演奏の様子