人が暮らす上で、避けては通れないのがごみの問題。近年は、無駄なごみの量を減らす「Reduce」、一度使ったものをごみにせず繰り返して使う「Reuse」、使い終わったものを資源に戻してあらためて製品にする「Recycle」という「3R」の認知度も高まっているが、令和4年度の一般廃棄物の総排出量は4034万トンで、東京ドーム約108杯分(環境省発表)。減少傾向にはあるものの、毎日膨大な量のごみが出ている。
蒸し暑い夏でも厳寒の冬でも、ごみを収集してくれるのがごみ収集車と清掃員の方たちだ。株式会社ダイフクは、ごみ収集車用の内部洗浄装置「シャワーホッパー」を日本で初めて開発したと発表した。
ごみ収集車は通常、使用後に1日1回程度、内部洗浄作業を行うが、その作業は従来手洗い。作業員にごみや汚水が掛かるといった衛生面に加えて、安全面での課題もあった。同社オートウォッシュ事業部門では、大型車両や建機など特別な車を自動洗浄する装置を製造しているが、「ごみ収集車の内部を自動洗浄する装置はないのか」という意見を聞き、検討を開始。実際に洗浄してみると、どうしても汚水をかぶってしまうなど、厳しい環境下での作業であることを実感、培ってきた洗浄技術・自動化技術を生かすことで作業が軽減できるのではないかと考え、約2年をかけて開発したという。
同社が開発した洗浄装置は、ごみ投入口やホッパーと呼ばれる収集車後部の積み込み装置の裏などの洗浄を自動化。ごみ収集車の特殊な形状に合わせた高圧水の噴出が可能になっており、洗車時間の短縮や使用する水の量の節約も図れるという。