年末年始の帰省は、高齢の親の介護についてじっくり家族で話し合う良い機会。今は元気でも、いずれ介護が必要になった時、本人は「配偶者」に担ってほしいと考えている人が多いことが、老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」(LIFULL senior・東京)の調査から浮かび上がった。子どもに迷惑をかけたくない、という気持ちが根底にありそうだが、老々介護は介護疲れによる“共倒れ”のリスクも大きい。帰省シーズン、もう一度家族のこれからについて話し合ってみよう。
調査は、子を持つ65歳以上の500人と、介護経験がなく、親が存命の30歳以上の428人を対象に12月4日〜7日に実施。介護について、親側は「配偶者」に担ってほしいという意見が6割、次いで 「介護サービスなど専門スタッフ」(28.8%)が続いた。一方、子ども側は親の介護の主担当は「長男」(30.1%) と考える意見が最も多く、次いで「長女」(24.3%)。親側は子どもへの負担を懸念している一方で、子ども側は自分たちで面倒を見るものと考える意見が多く、親子間でお互いを思いやっている様子が見られた(いずれも複数回答)。
この点について、調査したLIFULLでは、「配偶者による介護は老々介護となる場合が多く、介護による疲労から配偶者も共倒れとなってしまうケースも少なくない。また、子どもによる介護についても子ども側が高齢になれば、ゆくゆくは老々介護となってしまう。家族だけでまかなおうとするのではなく、介護サービスを利用することも選択肢に入れて考えることが重要」としている。
親の介護や老後について家族で話し合ったことがあるという人にどのような事柄について話したことがあるかを聞いたところ(複数回答)、 最も多いのが「親が老後を過ごす場所について(自宅・老人ホームなど)」(61.0%)、次いで 「希望するケア・治療について」(52.4%)。一方で、「費用について」(44.4%)、「家族の役割分担について」(41.2%)は半数を下回り、「資産の管理について」(31.6%)や「お墓について」(30.7%)は3割程度にとどまっている。
役割分担や費用といった家族の負担に関する整理ができていないと、誰がどこまで介護に関わるのかが曖昧なまま介護が始まり、兄弟姉妹の間で不公平感が生まれたり、費用を「誰がどの程度負担するのか」で意見が割れてしまったりすることも。親の預貯金や資産状況が共有されておらず、必要なサービスを利用できないなど、実務面での混乱につながるケースもある。介護は突然始まるため、いざというときのためにあらかじめ決めておく必要がありそうだ。










