おうちでだって足は速くなるし、ゴッホの《ひまわり》はより深く楽しめる――損保ジャパンからの贈り物

大人こそ楽しみたい二つのプロジェクト

 

大人こそ楽しみたい二つのプロジェクト

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言は全国で解除されたものの、まだまだ油断は禁物です。もうしばらくは「STAY HOME」が望ましい生活様式と言えそうです。家で過ごす時間を充実させるためのコンテンツは世の中にたくさん出回っていますが、役に立つコンテンツとして、ぜひご紹介したいのが、損保ジャパンの二つの取り組みです。

 「おうちにいようプロジェクト 足が速くなるダンスリレー」は、足が速くなるダンスをインスタグラムでリレー形式に投稿していくもの。もちろん、投稿せずに家で踊るだけでもOK。コミカルな動きにも見えますが、実際に踊ると相当の運動量。運動不足の解消にもってこいです。

 「ひまわりおうちアートプロジェクト」は、同社が所蔵するゴッホの名画《ひまわり》などのぬり絵にチャレンジしようという呼びかけ。あのゴッホの世界に深くふれることができる良い機会です。

 

 この二つのプロジェクトは、どちらかと言えば子ども向けのコンテンツ。しかし、大人でも楽しめる・・・と言うより、大人にとって、よりメリットがありそうです。損保ジャパン広報部メディアグループの課長代理 久我貴大さん、主任 加藤笑子さん、そしてCSR室の課長代理 冨樫朋美さんにお話をうかがいました。

“ダンサーの聖地”だった新宿の本社ビル

――これらのプロジェクトは、どういう想いで始められたんですか?

加藤 緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出を控える動きが急速に広がる中、お子さまたちは学校に行って運動したり友達と遊んだりといった当たり前のことができなくなってしまいました。当社として、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に努めるだけでなく、ご自宅でもお子さまからお年寄りまで楽しめるポジティブなコンテンツを発信したい、という想いから両プロジェクトはスタートしました。まずダンスのプロジェクトをスタートさせ、次いでぬり絵のプロジェクトを始めました。

――損保ジャパンさんとダンスというのは、意外な組み合わせのように感じます。

久我 損保ジャパンがなぜダンス?と思われる方はたくさんいると思うんですが、実は当社の新宿本社ビル入口前は“ダンサーの聖地”と呼ばれているんですよ。ガラス張りの大きな壁面があって、いつの頃からかダンサーたちがそれを鏡代わりに練習をするようになりました。
 また、当社のグループ経営理念として、「安心・安全・健康」に資する最高品質のサービスを提供して社会に貢献することを掲げています。健康という文脈でも、お子さまが楽しく運動できるダンスは最適です。また、小学校の体育の授業でダンスが必修化されたこともあり、当社では学校でのダンス教育を通じて、子どもたちに熱く、健やか、楽しくダンスに取り組んでもらいたいという想いで、2019年3月から「SOMPOダンスプロジェクト」を開始しました。

――それはどういうプロジェクトですか?

久我 ダンス教材「足が速くなるダンス」の提供と、全国の小学校への出張授業、ダンス経験がないため「指導が難しい」と感じていらっしゃる教員の方々へのダンス研修会の実施です。小学校への出張授業や教員の方々向けの研修は、この春の実施を計画していましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、残念ながら中止になってしまいました。そこで、そんなコロナ禍だからこそ、ご自宅でできることを当社からもご提供していこうと考え、「足が速くなるダンス」をSNSを通じて発信することにしました。

――あのダンスはコロナで急に作ったわけではないんですね。

久我 「足が速くなるダンス」は、NSSA(公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会)と名古屋学院大学が共同研究によって開発したものです。「歩幅を上げる」「足の回転数を上げる」「姿勢を保持する」という3つのトレーニング要素により、足が速くなるように科学的に考えられたダンスです。

足が速くなるダンス

――どうりで実際に挑戦してみるとハードなわけです。なかなか簡単に真似できません。

久我 家で一人で覚えようとするとなかなか踊れませんが、あれはダンサーの講師の方からすれば、基本中の基本の動きだそうです。教員研修や出張授業でインストラクターが教えるとほとんどの方が1時間で踊れるようになります。当社公式YouTubeにインストラクターが教えるお手本動画などもアップしているので、それを見ながら練習してもらえるといいと思います。

――反響や手ごたえはいかがでしたか?

久我 当社の公式インスタグラムで本プロジェクトの発起人の田部社員とNSSA公認インストラクターがダンス講座のライブ配信も行い、ホッケー日本代表の選手のみなさんやお笑い芸人・ロッチの中岡さんにもライブ配信中に踊っていただきました。また、当社がスポンサーを務めているホッケー日本代表の皆さんや、東大、慶大、立命館大などのホッケー部の皆さんも「足が速くなるダンス」を部員一人ひとりがそれぞれ自宅で踊っている様子をつないだ動画をSNS上にアップしてくださり、ホッケー界を中心に「足が速くなるダンス」を活用した、STAYHOMEの呼びかけが広がっていきました。

損保ジャパン公式インスタグラムで行ったダンス講座のライブ配信では、ロッチの中岡さんも登場
損保ジャパン公式インスタグラムで行ったダンス講座のライブ配信では、ロッチの中岡さんも登場

《ひまわり》のぬり絵でゴッホをより深く理解できるかも!?

 ぬり絵は、子どもの遊びとしてだけでなく、大人にとってもさまざまな効用があると言われています。集中による瞑想効果、ストレス発散、脳の活性化などです。一見、簡単に見えるぬり絵ですが、いざ、始めてみると考えることがいろいろあると気付かされます。どこから塗るか、何色を使うか、線を太くするか細くするか・・・。集中して《ひまわり》に色を塗っていくうちに、ゴッホの作品世界に少し近づけたような気持ちになるかもしれません。

――「ひまわりおうちアート」はどういう風に始まったんですか?

加藤 当社は美術館を所有しており芸術とも縁が深いので、お子さまからお年寄りまで誰でも楽しめる芸術系のコンテンツを紹介しようと始めました。当社が所蔵するゴッホの《ひまわり》やマスコットキャラクターのジャパンダをぬり絵にして、無料ダウンロードできるようにし、プリントアウトしてお使いいただいています。
 まず、インスタグラムでこの取り組みを紹介して、ぬり絵の投稿を呼びかけました。最初に趣旨に賛同してぬり絵をしてくださったのは、南海キャンディーズのしずちゃんと元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さんです。お二人は損保ジャパンがトップスポンサーを務める障がい者アートコンテスト「SOMPOパラリンアートカップ」の審査員というご縁がありました。さらに、ホッケー日本代表の皆さんなどにも投稿してもらっているうちに、一般の方々も投稿してくださるようになりました。

「ひまわりアート」プロジェクトでは、しずちゃんや丸山桂里奈さんも力作を披露
「ひまわりアート」プロジェクトでは、しずちゃんや丸山桂里奈さんも力作を披露

――ぬり絵のほうは、うまく描く方法などはアップされていないんですか?

冨樫 ゴッホの《ひまわり》をホームページ上で見ることができますので、それを参考にしていただけます。完璧に写すというよりは、オリジナルでお好きなように色を塗ることを楽しんでいただきたいと思っています。#ひまわりおうちアートのハッシュタグを付けて投稿していただいた方には、当社の公式インスタグラムで作品を掲載させていただいています。

損保ジャパン公式インスタグラムに投稿されたさまざまな《ひまわり》
損保ジャパン公式インスタグラムに投稿されたさまざまな《ひまわり》

――そもそも、損保ジャパンさんが《ひまわり》を所蔵されているのは、どういう経緯からなんですか。

冨樫 当社は昭和の初めから芸術家を支援してきましたが、1976年に新宿の本社ビルが建つときに、社会貢献の一環でビルの中に美術館を設けることになりました。その際、当社と縁の深かった東郷青児画伯の作品を収蔵品の核として開館したのが、「東郷青児美術館」(その後、「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」)です。そして、創業100周年記念事業の一環として、1987年に購入したのがゴッホの《ひまわり》です。当社創業の1888(明治21)年に描かれたといわれ、当社の経営理念にも通じる「健康・勇気・情熱」といった印象を与える《ひまわり》を多くの方に見ていただきたいという想いで、現在まで常設展示をしています。

《ひまわり》1888年 フィンセント・ファン・ゴッホSOMPO美術館
《ひまわり》1888年 フィンセント・ファン・ゴッホSOMPO美術館

彫刻のようなフォルムのSOMPO美術館が7月10日にオープン

――これまで本社ビルの42階にあったその美術館が、別棟になって新しく生まれ変わるそうですね。

冨樫 コロナ禍で開館を延期していましたが、7月10日(金)に「SOMPO美術館」と館名も変わりオープンします。本社ビルに隣接し、独立した美術館棟として新設され、建物というよりもひとつのアート作品を想起させる彫刻のようなフォルムが特徴です。本社ビルはスカート型と言われていて下の方が裾広がりになっていますが、それに呼応するような曲線をモチーフとしています。

7月10日(金)にオープンするSOMPO美術館は建物自体もアートのよう
7月10日(金)にオープンするSOMPO美術館は建物自体もアートのよう

――建物自体も見どころなんですね。展示の方針なども変わるんですか?

冨樫 基本的な方向性は変わりません。1フロアだった展示室が、3フロアに分かれるので、章立てをより意識できるような展示や可変性の高い展示設備により、多彩な展示構成ができるようになります。特に、《ひまわり》は、作品をより身近に感じられるような展示方法で、引き続き常設展示していきます。

 世界で最も愛される画家のひとりゴッホ。その代表作である《ひまわり》は、花瓶入りの構図で7点が描かれましたが、その7点のうちの1点が日本に存在し、常設展示され続けているということは、すごいことです。日本の誇りと言っても過言ではないでしょう。ちなみに、7点のうちもう1点も日本にあったのをご存知でしょうか。戦前まで兵庫県・芦屋の個人宅にあったのですが、残念ながら空襲で焼失してしまいました。この話は、劇場版『名探偵コナン 業火の向日葵』にも登場するので、ご存知の方も多いと思います。いずれにしても、代表作が日本に所蔵されているということを、日本にあこがれていたゴッホならきっと喜んでいるはずですね。

 さらに2020年は、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー」所蔵の《ひまわり》も日本にやって来ています。二つをはしごして見比べるのも楽しいかもしれません。ぜひ、新しくなった「SOMPO美術館」に足を運んでみましょう。

できることが増えたとポジティブに

――最後に、今回の活動を通じてお伝えしたいメッセージがあったらお願いします。

加藤 緊急事態宣言が解除され新しい日常が始まりましたが、自宅にいる時間はコロナ前より増えていると思います。「ひまわりおうちアート」などはみんなで楽しめるコンテンツになっていますので、ぜひ多くの方に楽しんでいただきたいなと思います。コロナだからできないことが増えたというのではなく、「新しいことにチャレンジする機会が増えた」とポジティブに思っていただけたらいいなと思っています。

 今回ご紹介した二つのプロジェクトは、コロナ禍を受けて急に作られたものではなく、スポーツと芸術という、損保ジャパンがもともと活動していた分野のリソースを使って社会に貢献できないかというところから生まれました。心と体の健康に効果的なコンテンツを活用して、おうちライフを充実させてみてはいかがでしょう。