奥武蔵の自然を存分に味わう 精進料理に山歩きに露天風呂

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休暇村のアウトドアリビング

 外歩きが快適な季節。ふだんの散歩よりちょっとだけワイルドに・・・そうは言っても登山というより軽いハイキング程度の山歩きがしたい、という時の目的地の一つが奥武蔵。竹に囲まれた竹寺で精進料理のランチを楽しんだ後、山歩き。休暇村の露天風呂で疲れを癒やして、広いテラスで友人と飲みしゃべり、の週末旅行が楽しめる。

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高麗川の澄んだ水

 埼玉県南西部に広がる奥武蔵高原。さほど険しい山はなく、好天の日なら初心者でも十分歩けるコースが多い。今回は多くのハイカーに人気の竹寺-子ノ権現コースを選んだ。距離にして約3キロ弱。西武鉄道の吾野駅から子ノ権現を通って竹寺に向かう人も多いが、今回は逆向きで往復。竹寺までまずは車で登った。

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牛頭天王

 医王山薬寿院八王寺、通称竹寺は、千年以上の歴史を持つ神仏習合のお寺。駐車場からお寺に向かうと、まずは鳥居をくぐって神仏習合を実感。さらに進むと、竹林の中にトーテムポールのような木像が現れる。これが本尊の「牛頭(ごず)天王」だ。インド祇園精舎の守護神ともいわれ、中国に入り、密教、道教、陰陽思想の習合を経て日本に伝わったとされている。文字通り牛頭をいただいた立像で、竹林の中でなかなか迫力に満ちている。竹稈(ちくかん)と呼ばれる竹の幹の部分を横に組んだ「竹めがね」は、お天気が良ければスカイツリーまで見える、という“天然望遠鏡”だ。

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竹めがね

 お寺でのランチは、事前に予約した精進料理のコース。竹の器で、タケノコの煮もの、桜や柿、もみじの葉の天ぷらやタケノコご飯など、周囲の自然をそのまま感じられる食事を堪能。一品ずつ住職の説明も聞けるし、花や俳句も添えられる風流を味わえる。

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竹の器に竹の煮もの

 腹ごしらえをしたら、ハイキングに出発。海抜490メートルの竹寺から、640メートルの子ノ権現に向けて山道を少しずつ上げていく。途中、トレイルランを楽しむ人とすれ違った。実はこのコース、6月17日に第一回目の大会が開かれる「奥武蔵ロングトレイルレース」(奥武蔵トレイルランニング協会主催)のコースの一部になっている。子ノ権現は足腰を守る神さまとして知られているから、着いたらまずは足腰の丈夫を感謝して、大きなわらじの前で記念撮影。竹寺への帰途は下りが多く、もう道も分かっているから案外楽だ。

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子ノ権現への山道
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子ノ権現の大きなわらじ

 その日の夜は、竹寺から車で半時間ほどのところにある「休暇村 奥武蔵」で一泊。露天風呂で山歩きの疲れを癒やし、アウトドアリビングという広いテラスがついた部屋で、友人たちと夜半まで飲み、しゃべり。翌朝早起きしてお風呂につかったら、宿泊者は無料で参加できるめい想体験へ。ゆっくりストレッチから呼吸法のABCを教えてもらって、心と身体を整える。朝食後は休暇村周辺を散策してみよう。高麗川の澄んだ水と樹々の緑のコントラスト。改めて奥武蔵の自然が染みてくる。週末の2日間でこれだけ楽しめるプチ旅はうれしい。