東進ハイスクール・東進衛星予備校を運営し、東京大学現役合格実績日本一を誇るナガセ(東京都武蔵野市)は、今年の入試でも845人の東大現役合格者を出し、5年連続800人超えを達成した。そこで、彼らを対象にアンケート調査を実施し、東大現役合格の鍵となる理系現役合格者の高校数学の全範囲修了時期について調査結果を発表した。アンケートは、2023年に東大に現役合格した東進生845人のうち、「東進東大現役合格祝勝会」に参加した生徒を対象にインターネット上で実施。有効回答数は473件だった。
まず、グラフ1は、高校数学(数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、Ⅲ)を全範囲修了した時期を聞いた結果。あくまで回答者自身が学習し終わったと判断した時期となっている。最も多いのは高2の46.6%。高2・高1・中学までの3つを合わせると、高2の終わりまでに79.5%の合格者が高校範囲の数学を修了していたことが分かる。一般的に、中学生のうちに高校範囲の数学の学習がスタートする中高一貫生ではさらに多くの83.2%が高2のうちに高校数学を修了している。一方で高校入学後に高校数学をスタートして東大現役合格を果たした生徒も、73.1%の生徒が高2までに高校数学を修了しており、多くの合格者が高校の授業よりも早い進度で自ら先取り学習を行っていた。
グラフ2は、高校から高校数学の学習をスタートした現役合格者の数学修了時期を2021年からの3年間で比較したもの。高2までに修了した割合は、21年が65.8%、22年が69.1%、23年が73.1%と年々増えている。特に23年は高1までに修了した生徒が、26.9%と大きく増加。23年の高3生は、高校生活が丸々コロナ禍と重なった。活動が制限される中、将来に目を向けて目標のために自主的に先取り学習に取り組んでいたと考えられる。来年の東大受験もすでに始まっているのだ。