NHKと国立大学法人東京大学が包括連携協定を締結した。4日、東京大学の安田講堂でNHKの稲葉延雄会長と東京大学の藤井輝夫総長が出席して締結式が開かれ、協定書を取り交わした。
NHKは、2025年に前身の社団法人東京放送局によるラジオ放送開始から100年の節目を迎え、東京大学は、4年後の27年に創立150周年を迎える。これを機に、社会的課題の解決、ならびに地域・社会の活性化をけん引し、双方の資産を生かした教育研究の振興、および人材育成に寄与することを目的として、連携・協力を進めていく。
今後は、放送番組などを通じて、東京大学が保有する歴史的資料とNHKのアーカイブスを発掘して日本の近現代史を検証し未来の視座を探ることや、東京大学の最新研究とNHKのノウハウを掛け合わせることで気候変動など、地球規模の課題について提言を行うこと、双方で研究が進められているVR技術やデータジャーナリズムなどを融合して、これまでにない斬新なコンテンツを生み出すことなどを検討していくという。
NHKの稲葉会長は「放送100年、そして東京大学創立150周年を迎えるこの機会に、公共的な存在という共通点を有する東京大学とNHKが包括連携協定を結ぶことで、協力関係を一層強化することと致しました。複雑化し、不確実性が増す現代社会だからこそ、何が本当に正しいのかを判断するための『コアになる知識』が求められていると感じています。東京大学とNHKが相互に連携・協力することで、人類が直面する地球規模の課題解決や日本社会のさらなる発展に貢献できるものと確信しています」とコメントした。