第11回「山本美香記念国際ジャーナリスト賞」(山本美香記念財団・東京)が、北海道新聞記者でルポライターの酒井聡平氏による著書『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』(講談社)に贈られることになった。5月4日に行われた選考会で決定した。
同賞は、2012年8月20日にシリア内戦の取材中にアレッポで、凶弾に倒れたジャパンプレス所属のジャーナリスト・山本美香さんの遺志を継ぐために創設された。世界中で起きているさまざまな紛争や抑圧、災害や貧困などの下で暮らす人々の生きる姿を伝える優れた国際報道を担うジャーナリストの支援、育成を目的としている。
選考委員は岡村隆氏(編集者・探検家)、河合香織氏(ノンフィクション作家)、髙山文彦氏(作家)、吉田敏浩氏(ジャーナリスト)。酒井氏の『硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ』は、「硫黄島の戦史と、日本兵戦死者の遺骨をめぐる戦後史が丁寧に描かれ、現地での遺骨収集作業、多くの取材場面、文献調査の結果など、著者の多面的な活動の実際が詳述されている」ことんどが高く評価された。5月24日18時から、東京・千代田区の日本記者クラブで授賞式が行われる(入場は報道・関係者のみ)。