人気作家・東野圭吾氏の小説を亀梨和也主演でドラマ化した『連続ドラマW 東野圭吾「ゲームの名は誘拐」』(全4話)が、6月9日からWOWOWで放送・配信スタートとなる(第1話無料)。広告代理店の敏腕プランナー・佐久間駿介(亀梨)が、大手自動車メーカーの副社長令嬢・葛城樹理と手を組み、狂言誘拐を実行。さまざまな思惑が絡み合い、その行方が二転三転していくノンストップサスペンスだ。
葛城樹理を演じるのは、デビュー5年目となる今年、主演映画『不死身ラヴァーズ』が公開され、NHKの大河ドラマ「光る君へ」にも出演するなど、進境著しい若手俳優の見上愛。主演の亀梨からさまざまなことを学んだという撮影の舞台裏を聞いた。
-スリリングな物語の中、見上さんが演じる葛城樹理は、佐久間と共に偽装誘拐をたくらみつつ、佐久間を翻弄(ほんろう)する一面もある人物ですが、どんなことを心掛けて演じましたか。
まずは、脚本をきちんと読み込むことを心掛けました。せりふの一つ一つ、シーンの一つ一つに、登場人物それぞれの思惑が詰まっているので、それを見逃してはいけないと思って。しかも、樹理は偽装誘拐の裏に自分の秘めた思いも抱えています。そういうことをすべて踏まえた上で、視聴者の皆さんにネタバレしないように注意しつつ、最後にすべてが明らかになってから思い返した時に、ちょっと引っかかるような表情があった方がいい、ということを監督と話し合いながら演じました。
-その微妙なニュアンスを表現するのは、かなり難しそうですが…。
監督や、亀梨さんを含めた3人でお話しする時間も多かったので、「どうしたらいいんだろう?」と悩むことなく、お芝居に向き合うことができました。そういう意味では、それぞれが相手に自分をどう見せていけばいいのか、計算しながら演じる部分は劇中の2人の関係につながっていくような感触がありました。
-演じるに当たって、原作を参考にした部分も?
原作は、お話をいただいたときにすぐに読み、2003年に公開された映画版も拝見しました。演じる上では脚本がすべてだと思っていて、原作や映画は参考程度にとどめ、この作品の中での樹理を演じることに集中しました。
-今回、樹理という役を演じてみて、ご自身の中で新たな発見はありましたか。
これまで、他人に振り回されるような役が多かったので、こんなふうに振り回す側を演じる面白さに気付きました。
-座長としての亀梨さんの印象は?
亀梨さんは一見、自分のペースを崩さないようでいて、実は撮影がスムーズに進むように、いろいろな方に気を使い、皆さんに声掛けなどをしていらっしゃるんです。全体をよく見ていらっしゃるのと同時に、芯がぶれずにいてくださるので、とても頼もしかったです。おそらく、キャストだけでなく、スタッフの皆さんも同じように感じていたのではないかと思います。なので、士気が高くまとまりのある現場でした。