カルチャー

京都・長楽館でゆっくりお茶と文化財見学 国の重要文化財指定記念企画「115年目のストーリー」

 京都市指定有形文化財の「長楽間」はレストラン・カフェとして多くの人を楽しませているが、この10月、国の重要文化財への指定が答申された。そこで長楽館竣工115周年目の節目に重要文化財に指定されることを記念して、長楽館の歴史を楽しめる館内ガイドや特別パネル展示など、さまざまなプランを展開する企画「115年目のストーリー」を12月1日(日)~2025年5月31日(土)まで開催している。

 長楽館は、明治時代の実業家、村井吉兵衛の別邸として1909年に建てられた京都のモダン建築。世界各国の建築様式が用いられている。京都市指定有形文化財である本館にレストラン、カフェ、スウィーツブティック、バー、そして併設する新館は全6室の客室を設けるブティックホテルになっている。

 企画では、デザートカフェ長楽館を利用する人限定で、毎週火曜日11時5分から特別な館内ガイドツアーを開催。1・2階のさまざまな建築様式が合わさった西洋室のみならず、最上階3階の通常非公開の和室「御成の間」と茶室「長楽庵」も見学できる。「御成の間」は折上格天井(おりあげごうてんじょう)にフランスバカラ社製のシャンデリア、金地の障壁画が美しい書院造の和室。「長楽庵」は表千家の残月亭の写しと伝わる茶室だ。

 館内の2階バルコニーでは、迎賓館時代の貴重な写真を用いたパネルを展示。建物の竣工当時と現在の比較や、村井吉兵衛について、ふだんはしまわれている家具の紹介などもある。