
1980年代前半から1990年代半ばまでに生まれた「ミレニアル世代」の働く女性の最大の関心事は「キャリアとライフの両立」で、「ロールモデル」「社外コミュニティ」への需要が増している――。女性のキャリア支援を展開するNewMe総研(NewMe・東京)が行った調査で、こんな結果が出た。
調査は20~40代の女性約800人を対象に、2024年11月27日~12月31日にかけて、インターネットを通じて行った。年代ごとの割合は、20代前半 4%、20代後半 29%、30代前半 32%、30代後半 23%、40代以降 11%。業種ごとの割合は、IT/通信 19%、金融 12%、メーカー/商社 14%、小売/サービス 8%、マスコミ/メディア/出版 5%、メディカル 4%、不動産/建設 4%、教育/公社 4%、広告/Web/ゲーム 5%、旅行/レジャー 2%、その他 23%。
それによると、「現在気になっているキャリアのトピック」(複数回答可)は、1位が「キャリア・ライフの両立」(83.8%)、2位は「ロールモデル」(55.0%)、3位は「転職」(48.3%)だった。以下、「副業」(42.2%)、「昇格・昇進」(39.0%)、「起業」(37.4%)と続いた。年代別に見ると、全世代で圧倒的に「キャリア・ライフの両立」が1位だったが、2位以降については年齢が上がるにつれて違うトピックに関心を寄せ始める傾向に。20代後半は「ロールモデル」(69.5%)、30代前半になるとそれに加えて「転職」(51.6%)が視野に入り、30代後半ではさらに学び直しを指す「リスキリング」(44.4%)に関心が強くなることが明らかになった。「起業」「副業」はどの世代も一定数興味のある層がおり、「管理職」「社内異動」は年齢と共に興味のある人が増加する傾向、「昇格・昇進」「転職」は年齢と共に減少する傾向が見られた。
「現在気になっているライフのトピック」(複数回答可)については、1位が「社外のコミュニティ」(66.0%)。2位は「資産形成」(63.6%)、3位は「ウェルネス(心身の健康・フィットネス・メンタルヘルス等)」(63.1%)だった。以下、「セルフケア(ファッション・美容等)」(52.3%)、「プライベートの充実」(51.4%)、「結婚・出産のタイミング」(48.3%)、「子育て全般」(35.5%)だった。ライフのトピックでは、年代ごとに一番興味のあるトピックが異なった。20代後半は「結婚・出産のタイミング」(73.7%)、30代前半は「社外のコミュニティ」(65.1%)、30代後半は「資産形成」(70.1%)、40代前半は「ウェルネス」(74.8%)が1位だった。

調査結果を受けて同社は、「キャリア・ライフの両立」は全世代から圧倒的に興味・関心が高く、現代の働く女性はキャリアのみ・ライフのみではなくどちらもあきらめることなく両方を楽しむことを求め、その方法を模索している傾向があると見ている。また、“人生100年時代”といわれる現代では、世代を問わず常に多くの人が“ロールモデル”を探していのではないかと推測。ロールモデルとなる先輩たちから学び、それぞれが持つすてきだと思う要素を取り入れながら、自分にしか描けないキャリア・ライフを築いていくような考え方が重要となるのではないかと指摘している。
同社はさらに、企業が女性管理職比率を向上させていくという取り組みも大事な施策の一つとしつつ、管理職に限らず、女性のロールモデル=活躍事例を計画的に複数パターン示していくことが女性採用・女性活躍の鍵となっていくのではないかと提起。転職や副業、起業など働き方が多様化していく中で、企業として社内コミュニティの在り方や社外との接点の創り方などを積極的に検討することが、女性活躍を後押しする一つの手段になるのではないかと指摘している。
NewMeは、「自分の人生を自分でハンドリングし、前向きに生きる女性を増やす」をビジョンとし、2023年6月に創業。ミレニアル世代/ミドル~ハイキャリアの女性に向けた転職サービス「NewMe Jobs」、女性のキャリアに特化したメディア「NewMe Story」、キャリア・ライフに忙しく毎日を生き抜いているミレニアル世代の女性に向けたコンテンツを配信する「NewMe Ch/笹川友里」、さまざまな切り口で実施するキャリアイベント、企業向けのコンサルティング等の事業を展開している。