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65歳以上の半数が「巻き爪に困っている」 別府のフットケアサロンが足の健康を呼び掛け

 

 「敬老の日」に高齢の親や祖父母とお出かけをした人はいるだろうか? 好きな時に、好きな人と、好きな場所に自由に行けるのは、足の健康があってこそ。「人生最期まで歩き続ける足づくり」を大分県別府市から発信しているフットケア専門店「足の湯治爪切り屋さん」(cheer town・別府市)がこのほど、来店者398人を対象に行った「足のお困りごと」に関する調査結果を発表した。

 回答者のうち299人(約75%)が65歳以上。「足のお困りごと」として提示した12項目(複数回答可)のうち、1位は「巻き爪」で154人(51.5%)、2位は「爪が厚い」で148人(49.5%)、3位は「自分で爪が切れない」146人(48.8%)。約2人に1人が何らかの足爪に関する困りごとを抱えていた。

 年齢別では、「巻き爪」は84歳までは高い割合を示しているが、年を重ねるにつれ「厚い爪」が増え、そして「自分で切れなくなる」割合が増えていた。これは、年齢を重ねるとともに「手が足に届きにくくなる」「目が見えにくくなる」「手に力が入りにくくなる」といった原因が考えられるという。爪が切れなくなることが続くと、最初はちょっとした変形だったのに、徐々に爪が厚くなり、最終的に「手がつけられなくなる」という悪循環に陥るという。

 激しく変形した爪は自分では切ることが難しく、歩行のバランスを崩す原因にもなる。足の爪の変形が起因して、膝や股関節、腰痛などの関節痛を引き起こすこともある。厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった主な原因の第3位は転倒・骨折(13.0%)だったという。

 「足の湯治爪切り屋さん」では、爪トラブルを放置すると歩行姿勢が崩れ、介護が必要になるリスクを高める可能性があるとして、爪トラブルを放置しないよう、呼び掛けている。そして、日頃から、両親や祖父母に声をかけて足を見てあげてほしいとしている。足を直接見るのをためらう場合は、「痛そうに歩いていないか」を確認することも大切だとしている。

 「足の湯治爪切り屋さん」は、別府の温泉文化を活用し“足の湯治”という新しい概念を提唱。別府の市営温泉施設内で高齢者中心の足の爪切りやタコ・魚の目ケアを行っている。高齢者介護施設訪問フットケア、巻き爪専門サロンも展開している。