どんな時も、子どもたちの素直で曇りのない表現に、大人は学ぶことが多い。大人たちは国境線をまたいで互いの命を奪い合う戦いに明け暮れていても、子どもたちの心に国境はない。島根県立大学美術教育学研究室は、島根県松江市のカラコロ工房・地下ギャラリー(島根県松江市殿町43) で「ウクライナとロシアの子ども絵画展」をスタートした。入場は無料。9月24日(水)まで。
日本では戦後80年の節目の年だが、世界では次々に新たな戦争が起こり、ウクライナとロシアの戦争もいまだ終わりが見えない。だが、戦火の中でも子どもは未来に期待し、成長している。戦時下で日常生活を続ける子どもたちの存在は、報道でも扱われる機会は少ないが、未来への希望を考える時、一番忘れてはならない存在だ。
この絵画展では、ウクライナの子どもの絵を40点、ロシアのものを40点、ランダムに展示している。同じ気候の中、同時代を生きる子どもたちの表現には国境がないことが感じられる。色鮮やかで素直な子どもたちの絵を近くで見ながら、戦争を終わらせるために何ができるのか、責任を負う大人として考えねばならない。