秋口から食べたくなってくる根菜類。レンコンの歯ごたえは根菜類の中でもピカイチで、煮ものやカリカリに揚げたものなど、調理方法も多様。さて、このレンコンの生産量全国1位の茨城県では、合同会社ハスラボ(茨城県土浦市)が、リンゴと同じくらいの甘さを目指す「みろく蓮根(れんこん)」のプロジェクトに挑戦している。
茨城県は全国1位のレンコン産地でありながら、現状では品種が混在し、すべて同一価格で取引されるのが通例。生産者のこだわりや地域ごとの特性が適切に評価されにくく、農業経営の持続性が課題となっている。特に、質・味ともに優れた昔ながらのレンコン品種の衰退は深刻。これらの在来品種は大きさや形にばらつきがあり、見た目の美しさを重視する現在の市場トレンドに合わないため、多くの生産者が栽培を敬遠しているが、その味わいは現在主流の品種を大きく上回るポテンシャルを秘めているという。
そこで、あえてこの昔ながらの品種に注目し、酒かす、しょう油かすによる土壌改良で、従来では考えられないほどの甘みを引き出すことに挑戦しているのがこのプロジェクト。リンゴに匹敵する糖度13%という甘さの実現に挑戦する「みろく蓮根」は、酒かす・しょう油かすを再活用する循環型農業でもあり、持続可能な農業モデルの構築を目指している。
「みろく蓮根」は卸売ルートではすでに出荷されているが、一般消費者向けへの直販は現在準備中。準備が整えばハスラボのECサイトに掲載(数量限定・通年固定価格)される予定。