久原本家グループ(福岡県久山町)は11月21日、ブランド「茅乃舎」の新たな旗艦店「東京銀座 茅乃舎」を東京・銀座にオープンする。日本の「だし」文化の魅力を国内外に向けて発信するフラッグシップストアとして、銀座店限定のラインアップを取りそろえる。17日には、グランドオープンに先駆けメディア内覧会が開催された。

久原本家グループ社主の河邉哲司氏は、「久原本家グループは、1893年創業のしょうゆ蔵が原点。そのしょうゆ屋が、世界のブランドが集う場所である銀座に店舗を構えることができ、感慨深い。食文化や、建築や工芸という文化を銀座という地から発信していきたい」と語る。
店舗設計は建築家・隈研吾氏が監修。かやぶき屋根を想起させる、杉格子のひさしを重ねた温かみのある外観が特徴だ。「和の文化を発信していくのにふさわしい建築家は、隈研吾さんしかいないと思った」と河邉氏は語る。
フロアーの二階では、この店舗限定の贈答品を中心に商品を展開しており、「特別誂え みやびだし」や「特別誂え 山椒生七味」のほか、京都・一乗寺にあるフランス菓子の名店『Régis d.(レジス・デ)』の茅乃舎特別仕様クッキーなど、ここでしか手に入らない特別な品々を用意するという。また、日本の食にまつわる道具を販売する他、伝統工芸品を展示するギャラリーとしての機能も備える。

店舗販売・通販・飲食事業を担う「久原本家」の副社長で茅乃舎ブランドマネジャーの福永靖氏は、「日本の食文化を伝え、後世未来につなぎ、国内外へ発信していくという目的と思いをもってだしを展開している。『東京銀座 茅乃舎』では、茅乃舎として最上級の乾物を20種類以上取りそろえた。単品のみでなく、東京、博多、名古屋、京都、能登という各地域の特徴あるだしを楽しめるキットとしても販売する。日本の食文化をより深く楽しむ一助となれば」と語った。
他に、店舗限定の商品として、同社の代表的な「茅乃舎だし」をさらに上質な味わいに仕上げた「特選茅乃舎だし」の他、手土産として「東京銀座茅乃舎限定 だしいなり」も販売する。すぐに飲食ができる「だしいなり」のような商品は、同社の店舗では初めて販売する。

この日は体験コンテンツとして、久原本家の統括料理長である岩根和史氏が、「茅乃舎 厳選素材 乾物キット」のデモンストレーションを実施。乾物キットは、各地域の材料と仕込み袋、専用のリーフレットをそろえたキット。岩根氏は「乾物は自分で買ってきてブレンドするのはハードルが高いと思うが、特別なお客様など、どうしてもおもてなしをしたいというときに、家庭で楽しめる仕様となっている」と語る。
久原本家 ブランドマーケティング部課長の野口香織氏によると、「仕込み袋で水につけてじっくり味をとるもの、かつお節のように仕上げに入れるものなど、それぞれのだしの取り方の特徴に合わせただしの煮出し方を提案した」とのこと。日本の豊かなだし文化を、家庭で手軽に体験できる乾物キットだ。

内覧会では、「だしいなり」と乾物キットを使った4種の料理も試食できた。乾物やだしの風味を味わえるようにと、「茅乃舎だしで煮る加賀車麩」、「青干しぜんまいナムル」、「筍きんぴら」、「かんぴょうの白和え」と「だしいなり」が提供された。どれも素材の味を楽しみながら、乾物を使った料理のバリエーションを知ることのできるメニューが用意された。
主力商品である茅乃舎だしをはじめ、素材を大切にしながら、日本の食文化を現代の食卓に届ける茅乃舎。選び抜かれた素材から生まれる「だし」の世界の魅力をじっくり体験することができた。










