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文部科学省が問題解消を呼びかけ注目が集まる大学の「入学金二重払い」 産業能率大、受験生が直面する経済的負担に関する解説動画を公開

 あなたは知っていますか? 入試にまつわる怖い話――。産業能率大学(東京)は、大学受験生家庭を取り巻く経済的課題について広く正しく知ってもらうために、「入試にまつわるお金の話」をテーマにした3本の動画をこのほど公開した。

 私立大学の受験生や保護者にとって、大学受験から入学手続きにかかる経済的負担は年々増加している。特に、「入学金の二重払い」。複数大学を併願する場合、第一志望校の合格発表前に他大学の入学金を納入しなければならないケースがあり、受験生や保護者にとっての大きな経済的負担となっている。こうした状況を受け、文部科学省は2025年度、全国の私立大学に入学料の負担軽減を呼びかけ、2026年度入試に向けて、入学金の二重払いを解消するための取り組みを促していることもあり、現在注目されている。

 今回同大が公開した動画の1つ目は、「『入学金二重払い』の実態をアニメで『知る』」。なぜ「入学金二重払い」という状況が起こるのか、仕組みや背景を解説する。2つ目は、「『還付方式』と『猶予方式』をアニメで理解する」。「大学無償化」として知られる高等教育の修学支援新制度における、入学金・授業料の減免の仕組みを解説。「還付方式」と「猶予方式」の違いを、図解的に整理している。3つ目は、「本学職員が語る知らないと損する入試スケジュール管理のコツ」。併願スケジュールの立て方や支払い期日の管理など、現場の視点から実践的なアドバイスを紹介する。

 合格発表のタイミングと入学金の納入期限は大学ごとに異なり、複雑な全体像を把握することは容易ではない。「大学ごとに合格発表日も入学金の納入日もバラバラで、どうスケジュールを組めばいいか分からない」という、受験生の声も聞かれるという。同大は、創立者・上野陽一氏の掲げた「ムリ、ムダ、ムラを廃する”3ム主義”」の精神にのっとり、入学辞退者にとって、「ムリ、ムダ」である入学金の二重払いを回避するため、2001年度から独自の「入学金返還制度」を導入・運用してきた。今年度も一次手続後、二次手続期限(3月11日)までの入学手続辞退で一次手続金(入学金)25万円を「全額返還」する。  同大は、今後も、受験生支援の在り方を真摯(しんし)に追求し、教育の機会均等と進路選択の自由を支える制度として、入学金返還制度を維持・発展させていくとしている。