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野生動物のリスクを考慮する人は3割 住まい選びに関する調査、不動産価値への影響も

 人の生活圏にクマの出没が増え、さまざまな被害が毎日のように報告されている。クマ以外にもシカやイノシシなど、野生動物が民家に近づき、住人が恐怖を感じる事例もある中、「野生動物被害が住まい選びに与える影響に関する意識調査」(AlbaLink・東京)が実施された。現在住んでいる地域で野生動物被害の不安を感じている人は40.8%にのぼった。

 全国の10~60代の500人を対象に11月17日に調査。27.6%の人が、野生動物対策が整った物件への引っ越しを検討したいと回答した。もっとも住まい選びの際にクマなど野生動物被害のリスクを考慮しているかをたずねると、「考慮している」人は11.2%。「どちらかといえば考慮している」人(19.6%)と合わせても30.8%にとどまった。住まい選びには、家賃や職場へのアクセスなどさまざまな条件を考慮する必要があり、野生動物の被害だけにフォーカスして考えるのは難しい現実が浮き彫りになった。

 ただ、クマなど野生動物被害が多い地域の不動産価値が下がると思う人は82.6%にのぼっている。安全性への懸念から、買い手や借り手に敬遠されたり、実際に建物が被害を受ければ、建物が汚れたり壊れたりして価値は下がることが予想され、今回のアンケートでも「もし引っ越しするなら、野生動物が出ないようなところに引っ越す」という声が多く聞かれた。