ふむふむ

遺伝子組み換え食品のイメージが向上 20年で好意的層が約2.5倍に

 遺伝子組み換え作物の商業栽培開始から約30年が経過し、日本でもその原料を用いた食品が広く流通しているが、その実態に対する消費者の理解度にはばらつきがあり、不安を持つ人も少なくないだろう。バイテク情報普及会(東京)は10月下旬に、全国の20代~50代の男女2000人(各世代・性別ごと×250サンプル)を対象とした「遺伝子組み換え食品/ゲノム編集食品に対する意識調査」をに実施した。

 遺伝子組み換え食品に対するイメージを聞くと、「特に何のイメージも持っていない」と答えた人が45%で最多。若年層ほど否定的な回答が少なく、20代では「良い」「どちらかといえば良い」(好意的)と「特にイメージなし」(中立的)の合計が約7割を占めた。

 過去と比較すると、遺伝子組み換え食品に対して否定的なイメージを持つ人は減少傾向にあり、2004年に約20%だった好意的・中立的なイメージを持つ層が、2025年には約50%へと約2.5倍に拡大したという。また、遺伝子組み換え食品に関する複数の特徴を提示した後にイメージの変化を聞くと、全体の42%が「以前より良くなった/少し良くなった」と回答した。とりわけ安全性に関する情報がイメージ改善の主要因となっている。

 バイテク情報普及会によると、遺伝子組み換え食品は、気候変動による干ばつや高温、洪水に強い作物を開発できる可能性があり、将来の食料不足に対応する手段として期待されているという。国の厳しい審査を受け、安全と確認されたものだけが流通し、WHOや米国の科学アカデミー、欧州委員会なども、これまでの利用経験から「安全である」と認めているとしている。日本では大豆、トウモロコシ、綿、菜種などが主に輸入され、食用油や加工食品の原料、家畜の飼料などに利用されている。