ビジネス

農政はうまくいっていない 自由貿易を批判 篠原元農水副大臣が講演

 共同通信加盟新聞社の記者らが参加する「めぐみフォーラム」(主催:共同通信アグリラボ)は12日、篠原孝元農水副大臣を講師に招き、「農政に半世紀以上、53年(農水省 30 年、衆議院議員 23年)、未来への提言」と題してオンライン講演会を開いた。

 篠原元副大臣は半世紀以上にわたって農業政策に直接関わってきた。その経験を踏まえ「農村、農業政策はうまくいっていない、責任の一端は自分にもある」と総括した。

 篠原氏は、若手の農水官僚だった1980年前後から、「農業が過保護だ」と批判する経済界や経済学者と論争、輸出で経済大国を目指すのではなく「(国内で生産できない)必要なものだけを買うために、輸出させてもらう」という「農的小日本主義」を訴え続けた。

 「(日本は)自由競争が良いと言い続け、のぼせあがっていた」と指摘、環太平洋連携協定(TPP)など自由貿易の推進を「間違っている」と批判した。その上で「(国内の製造業の再生を目指す)トランプ政権の関税政策は間違っていない」と評価し、具体的には輸入材木に高率関税を課し、日本の森林資源を有効利用することによって中山間地域の再生を目指すよう提言した。

 このほか「食料安全保障を大事にする」「安定した地域社会を取り戻す」「国民皆農業」などを今後の農政の課題として挙げ、関係人口や交流人口の拡大、地方居住の促進、市民農園、農的暮らしに期待を示した。(了)