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長谷川香料が大学との共同研究で技術確立 横浜国立大、奈良先端科学技術大学院大と連携 使用済みコーヒーかすを再利用

 長谷川香料(東京)が産学連携の共同研究で成果を上げている。

 食品廃棄物の使用済みコーヒーかすから抽出したホロセルロースナノファイバー(HCNF)を、香料製剤の乳化安定剤として活用する技術を横浜国立大学との共同研究で確立した。

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 コーヒーかすは世界で年間600万トン以上排出されており、アップサイクル技術の開発が求められている。長谷川香料と横浜国立大は、コーヒーかすに豊富に含まれる細胞壁由来のホロセルロースを原料とし、環境負荷の低い物理的衝撃法によってHCNFを調整し、香料製剤への乳化安定剤としての応用を検証した。その結果、中鎖脂肪酸トリグリセリドやd-リモネンなどの油溶性成分に対して高い乳化分散能を示すことが確認された、としている。

 奈良先端科学技術大学院大学との共同研究のテーマは、食品産業で広く利用されている天然の乳化素材「アラビアガム(GA)」で、GAが形成する乳化微粒子の内部構造について解析した。

 GAは、マメ科アカシア属の幹から採取され、糖鎖とタンパク質が結合した複合体で、少ない添加量で油成分を安定化できる。だが、乳化微粒子の詳細な内部構造については十分に理解されていなかった。

 共同研究で、小角X線散乱測定や動的光散乱測定、位相差顕微鏡観察など多角的な解析で、GAが中鎖脂肪酸トリグリセリドを乳化した際に形成する乳化微粒子の構造解析に成功した。長谷川香料は、この知見に基づき、より高品質で安定した香料製剤の開発につなげたい、としている。

 両成果は今年3月に開催された日本農芸化学会2026年度京都大会でそれぞれ発表した。