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日本ワインの未来を担う「ハブ」へ メルシャンが産地を包括的に支える「日本ワイン応援事業」を始動

 日本国内のワイナリー数はこの10年で200以上増加し、2025年にはついに500ワイナリーを突破した。国内大手ワインメーカーのメルシャン(東京)は、こうした日本ワイン産業を取り巻く環境変化と課題を踏まえ、新プロジェクト「日本ワイン応援事業」を4月から開始した。これは2022年から展開してきた「コンサルティング事業」を進化させたもので、日本ワイン市場のさらなる活性化を目指す。

 従来のコンサルティング事業では、スタートアップワイナリーを中心に、ブドウ栽培や醸造技術のサポートを提供してきた。しかし、ワイナリーの現場では原材料調達や販売、広報など多岐にわたる課題が顕在化。生産者の工夫や日本ワインの価値が消費者に十分伝わらない状況も生まれていた。こうした背景から、メルシャンはワイナリーとサプライヤーを効率的につなぐ“ハブ”として機能する「ハブ&スポーク型」の支援体制を構築し、支援領域を大幅に拡張する。

 新事業では、サポート対象を中規模ワイナリーや自治体まで拡大し、苗木選定から販売までサプライチェーン全域をカバーする「面」での支援を実施。さらに、複数ワイナリーの購買を取りまとめる「共同調達ビジネス」を2026年4月から開始し、苗木や畑資材を安定供給するとともに、産地特性に応じた資材選定のアドバイスも行う。これにより、ワイナリーは調達業務の負担を軽減でき、畑づくりや醸造といった本質的な価値創出に集中できる環境が整う。

 また、新規事業として一般消費者向けの「あなただけのワインづくり体験」もスタート。ワイン造りを通じてワイナリーや地域との継続的な関係を育み、日本ワインの魅力発信と地域活性化につなげる狙いだ。

 コンサルティングの新たな事例としては、北海道美瑛町で2025年10月から開始したワイナリー設立支援が挙げられる。メルシャンは、苗木選定や植栽といった初期段階から関与する初の取り組みで、畑づくりから醸造設備、運営体制まで総合的にサポートしている。

 メルシャンは「日本を世界の銘醸地に」というビジョンのもと、約150年にわたるワイン造りの知見を生かし、日本ワイン産業全体の発展と市場活性化を推進していく構えだ。