2026年2月、東京藝術大学奏楽堂で、舞台上部天井音響反射板の落下事故が発生。奏楽堂は2027年3月まで使用停止となった。これを受け、J. S. バッハの教会カンタータを中心とする演奏活動を行う学生団体「東京藝術大学バッハカンタータクラブ」は、2027年定期演奏会を外部ホールで開催するため、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」で「藝大最古の伝統を次世代へつなぐ バッハカンタータクラブ支援プロジェクト 2027」を実施している。
5月のクラウドファンディング公開後、1週間で当初目標80万円を達成。現在は今後の活動継続も見据えたネクストゴール160万円に挑戦している。半世紀以上続く学生主体のバッハ演奏実践を次世代へつなぐため、支援を呼び掛けている。
東京藝術大学バッハカンタータクラブは、J. S. バッハの教会カンタータを中心に演奏することを目的に、1970年に結成。現在は声楽科・器楽科に限らず、楽理科、作曲科、美術学部など多様な専攻の学生約70人が在籍している。栃木の日光真光教会や東京の下谷教会での演奏、東京藝術大学奏楽堂での定期演奏会など年間約5回の演奏会を開催。近年ではドイツ連邦共和国大使館での奏楽をはじめとする依頼演奏も務めている。練習、外部交渉、資金調達、広報、演奏会当日まで、活動の多くを学生たち自身で運営。長年にわたり奏楽堂を定期演奏会の主要な会場としてきたが、今回の事故を受け、2027年定期演奏会を外部ホールでの開催を目指すことになった。
同大は、バッハの教会カンタータについて、音楽作品であると同時に、ヨーロッパの宗教文化、言葉、思想、共同体の記憶を内包する作品群とする。同クラブの学生たちは演奏を通して異なる歴史や信仰、精神文化を学んできた。声楽、器楽、古楽、理論、文化など、多くの視野が交差するこの活動の中で、定期演奏会は、一年間の活動を社会へ開き、さらに次の世代の部員へ経験を手渡していく継承の場と位置付けている。
追加で集まった支援金は、2027年定期演奏会の開催費用に加え、2027年度以降も学生たちがバッハの教会カンタータを通じた学びと演奏の場を継続していくための活動基盤整備に充てるとしている。支援金額に応じて、お礼メッセージ、プログラムへの氏名記載、定期演奏会招待券、オリジナルTシャツ、アーカイブ映像、リハーサル見学、出張演奏などのリターンを用意している。
2027年定期演奏会は、2027年2月16日(火)の夜公演。東京・千代田区の日本製鉄紀尾井ホールで、J. S.バッハの宗教声楽作品から数曲を演奏する予定。










