戦後の1950年代後半から60年代にかけて流行したに普及した「家庭用編み機」(家庭機)は、誰でも早く簡単に、きれいに編めることが目指された製品。最盛期には年間100万台が生産されて“花嫁道具”としても売り出され、ミシンと並ぶ定番の家庭用品だった。しかし編み物は「作るもの」から「買うもの」へ、「家事」から「趣味」へとシフト。やがて徐々にその姿を消していった。
世田谷文化生活情報センター「生活工房」(東京)では、2024年1月21日(日)まで、「あみきをほどく 家庭用編み機の展覧会」を開催している。各時代の家庭機や編み物、雑誌等の資料を糸口に、「暮らし」と「編むこと」の関わりをたどる。あわせて、現在も家庭機を使用するニッターの作品も紹介。1923(大正12)年に萩原まさ氏が考案して100年、長らく忘れられてきた家庭用編み機の可能性を再考する。
会場は生活工房(東京都世田谷区太子堂4-1-1、三軒茶屋・キャロットタワー3階)。期間中の9時~21時。月曜休み(祝日除く、11月5日、12月29日~1月3日は休み)。入場無料。