まめ学

災害時に子どもたちがこころと生活を立て直すための情報サイト開設  NPOカタリバ、LINE相談も受け付け

 1月1日に発生した能登半島地震により、広範囲で甚大な被害が報告されている。認定特定非営利活動法人カタリバ (東京)の災害時子ども支援「sonaeru(ソナエル)」プロジェクトチームは、発災後の1月3日にスタッフ3人が現地入りし、1月4日から石川県七尾市で子どものための居場所を開設した。また、オンラインでの支援も並行してスタート。災害時に子どもたちがこころと生活を立て直すための情報ガイドウェブサイト「災害時の子どもの生活ガイド」を1月4日にオープンした。

sub4

 カタリバは、東日本大震災・熊本地震・西日本豪雨災害・熱海市伊豆山土石流災害・秋田豪雨など、災害が起こるたびに現地ニーズを調査し、必要に応じた緊急支援に10年以上取り組んできた。

 被災した子どもたちは、普段と違う生活の中でさまざまなストレスを抱える。保護者たちも生活の建て直しにいっぱいいっぱいで、子ども自身もつらい気持ちや悩みを我慢して抱え込んでしまうことも。カタリバでは、一見すると元気そうでも、実は心身にストレスを抱えていて、しばらくした後に表面化するような子どもたちとも、たくさん出会ってきたという。現地での支援で直接顔をあわせることのできる子ども・保護者たちが限られる中、多くの被災者の人たちに子どもをサポートするための情報を届けたいと、「災害時の子どもの生活ガイド」を立ち上げた。

 「災害時の子どもの生活ガイド」は、専門家として、小児科専門医・厚生労働省DMAT事務局の岬美穂氏、一般社団法人Smart Supply Vision理事・元中学校教員の佐藤敏郎氏、弁護士・防災士の永野海氏の監修を受けて作成。カタリバの災害支援現場で関わってきた当事者の子どもたち・保護者たちなどとも、「当事者として、あのとき欲しかった情報はどういうものだったか?」「何が分からなくて困ったか?」を考えながら、一緒に作り上げた。被災は多くの人にとって、一生に何度も経験するものではない。「緊急時の避難などについては知識が多少あっても、被災した後にどうなるかよく分からなかった」という意見から、少しでも生活の見通しを持てるようなコンテンツを掲載している。

 情報ガイドにとどまらず、サイトから直接、LINE相談もできる。カタリバの社会福祉士や臨床心理士等の専門職とスタッフが連携し、避難生活中の子育ての悩み、経済的な悩みについて聞きながら、解決に向けてサポートする。

main