生放送で原稿を読んでいる最中に突然、鼻水が垂れてきたのが15年以上前。それでもずっと、特にマスクもせず、たまに市販薬に頼っていればなんとかなっていたのですが・・・。ついに今年、本格デビューした花粉症。マスクをせずにゴルフしようものなら、夕方から鼻が詰まりだし、夜には窒息しそうなほど苦しくなりました。
「先生、確か去年も例年より多い、と言っていた気がするのですが、今年はなぜ」と聞くと、「昨年たくさん暴露したことがトリガーみたいになってるのよね。そういう人増えてますね~」との返事。今年はさらに多く飛んでるというから、いま無症状という方も油断は禁物かも。
花粉症の経済損失額は1日当たり2340億円と試算され、岸田前首相は「国民病」と発言しましたが、そんな国民病に対して福利厚生で社員を支援する企業が増えています。高級ティッシュ、高級マスク、
目薬などの現物支給や治療費補助、在宅勤務推奨など、いわゆる「花粉症手当」ですね。
調べてみると、他にもユニークな福利厚生がいろいろありました。
まずは実体験から生まれた制度。「二日酔い休暇制度」は、営業などで貴重な機会を得た際には明日のことを考えずにとことん飲んできてほしいというもの。「ネイル手当」は、営業は清潔感が大事、身だしなみを考える助けになれば、との思いから生まれました。
特に家族とのコミュニケーションを大切にする制度も多く、社員の誕生日をランチや花で祝ったり、社員の家族の誕生日を祝ったり(お米5キロと働く社員の写真付き)。結婚記念日を祝う「ハネムーン手当」や帰省の際に支援金を出す「親孝行支援制度」なども。
「ペット同伴制度」や「猫手当」。勤務中の仮眠を推奨する「POWER NAP制度」や、昼寝だけでなく趣味など自由時間にも使える「シエスタ制度」など、社員の心身の健康と効率アップを考えた制度も多く、早く出社すると手当がもらえる「早起きは千円の得」は、満員電車を避けることによるストレス軽減や、始業時間までは自己研さんにも充てられることを狙っているそうです。社内キッチンで卵かけごはん食べ放題の「TKG制度」もニュースで話題となりました。
これが心のサポートとなるとインパクト大。プロポーズなど勝負の日に取得できる「恋愛勝負休暇」に、推しの誕生日やライブの日に休めるだけでなく活動費も支給される「推しメン休暇制度」。さらには「失恋休暇」まで。なんでも、仕事ができなくなるほどの恋愛はむしろ大切な経験であるという考えから生まれたそうで、なんと「推し」に対しても有効だそうです。
経営陣の経験から生まれた制度や、社員からの公募で決まるものなど、その形もさまざま。イキイキと働いている姿や温かな職場が目に浮かんで、ちょっと幸せな気分になりました・・・が、さっきからクシャミが止まらない。
【KyodoWeekly(株式会社共同通信社発行)No. 16からの転載】
ばば・のりこ 東京都出身。早稲田大学商学部卒業。1997年日本テレビに入社し、情報・バラエティー・スポーツ・料理まで局を代表する数々の番組を担当。2014年7月からフリーアナウンサーとして、テレビ・インターネット番組・執筆・イベント司会・ナレーションなど幅広く活動中。大阪芸術大学放送学科教授も務める。