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上白石萌音、青春をもらった舞台「千と千尋の神隠し」の千尋から、自由と愛を求める女性へ【インタビュー】

-初共演となる屋比久さんの印象は?

 初めて屋比久さんの歌を聞いたのは、映画『モアナと伝説の海』でした。そのときに「なんだこの方は!」と大感動しました。彼女の歌声が本当に好きで、それ以来、屋比久さんの歌のファンです(笑)。Wキャストは、舞台「千と千尋の神隠し」で橋本環奈ちゃんと経験しましたが、そのときに、どれだけ心強くて支えになって、一緒に一つの役を突き詰めるというのがどんなに楽しいことかを、環奈ちゃんから教えてもらいました。今回も、たくさんのことを学ばせてもらいながら、屋比久さんと一緒に何かを見つけられたらいいなと思っています。

-舞台「千と千尋の神隠し」は非常に注目されていた作品でしたが、改めてどんな作品でしたか。

 世界観も壮大で、人ではないキャラクターがたくさん出てくる摩訶不思議な雰囲気があって、せりふの一つ一つがとてもシンプルだけど心に残る言葉にあふれていて、公演を重ねれば重ねるほど好きになった作品でした。そうした作品に、10歳の千尋として、何にも染まっていない真っ白な心でいろんなものを発見したり受け取ったりとかしながら舞台に立てたことが、本当に楽しくて仕方がなかったです。もちろん、いわずと知れた名作を生で演じるというプレッシャーも大きかったですが、それをみんなで越えていけるガッツのあるカンパニーでもありました。誰よりもこの作品が好きだという人が集まっていたので、上演を重ねるに従って愛が増していきました。私はこの作品に青春をもらったなと思います。

-その経験をどう本作に生かしていきたいですか。

 舞台「千と千尋の神隠し」で毎回心掛けていたことは、“毎回、初めてやろう”ということでした。千尋は知らない世界に飛び込んで、初めてのことだらけという、その初めてをリアルに感じながらやっていこうというのは、毎回肝に銘じてやっていたんです。それをずっとやり続けることができたことは、私の自信にもなりました。「日々、発見をしなさい」とジョンがよくおっしゃるのですが、“発見する”というのがどういうことかというのは、千尋を演じてなんとなく分かってきたかなと思うので、今作でも同じような思いで臨みたいと考えています。

(取材・文・写真/櫻井宏充)

ミュージカル「ジェーン・エア」

 ミュージカル「ジェーン・エア」は、2023年3月11日~4月2日、都内・東京芸術劇場プレイハウス、4月7日~13日に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで上演。
公式サイト https://janeeyre.jp/