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佐野勇斗「鈴木亮平さんみたいな役者であり、人間になりたい」 NHK夜ドラ「おとなりに銀河」で主演【インタビュー】

 佐野勇斗が主演するNHK夜ドラ「おとなりに銀河」が放送中だ。雨隠ギドの同名漫画をドラマ化した本作は、売れない漫画家の久我一郎と、彼の臨時アシスタントになる流れ星の民の姫・五色しおりが「婚姻関係の契り」を結ぶことから始まるSFラブコメディー。両親を亡くし、幼いきょうだいを養うために必死に漫画を描く日々を送っている主人公を演じる佐野に、本作に懸ける意気込みや撮影時のエピソード、さらには俳優として、人間として憧れている人物を聞いた。

佐野勇斗(stylist:伊藤省吾) (C)エンタメOVO

-NHKが昨年度から若い世代をターゲットにしてスタートした「夜ドラ」枠での主演となりますが、本作に懸ける思いを教えてください。

 僕は連続ドラマの単独主演が初めてでしたし、NHKさんの作品に出演したこともなかったので、お話を聞いたときは、すごくうれしかったです。月曜日から木曜日までの平日の夜に、ほぼ毎日15分間流れる帯ドラマなので、4月という新生活が始まるシーズンに、皆さんが1日の終わりに見て優しい気持ちになったり、日々頑張ろうと思ってもらえたらいいなと思います。

-原作漫画を読んだ感想はいかがでしたか。

 登場人物たちが、みんな自分の中でいろいろなことを抱えているのですが、それぞれが人に対する思いやりがあって、読んでいると優しい気持ちになれるアットホームな作品だなと思いました。

-演じる久我一郎というキャラクターを、どんな人物として捉えていますか。

 一郎は両親がいなくて、兄として小さい子どもたちの育児をしながら、自分の漫画家としての仕事をやっている役なので、恋愛に慣れてないところはありますが、すごく芯がしっかりしていて、久我家の大黒柱として家族を守っていかなければならないという気持ちがある男性なので、そこは魅力的だなと思います。

-自分が一郎と似ていると感じる部分はありますか。

 僕は意外と人見知りですし、家族以外の人に頼れないところがあって、何かを「やってあげようか」と言われても、「大丈夫」と言ってしまうので、そこは似ているのかなと思います。ただ、僕も一郎と同じく下にきょうだいが2人いる長男ですが、一郎ほどの責任感はなくて家族に甘えたりするので、一郎はすごいなと思いますし、自分も少し見習わなくてはいけないなと思います。

-恋愛相手となる五色しおり役を演じる八木莉可子さんの印象を教えてください。

 八木さんは、日々一緒に撮影を重ねるたびに、本当に五色さんみたいな人だなと感じています。すごくピュアでフレッシュな心を持っていて、現場にいてもスタッフさんたちと仲良さそうに話して、分け隔てなく人と接している姿を見ると尊敬しますし、学ぶところが多いなと思います。

-恋愛初心者の2人の恋愛模様が描かれますが、胸キュンシーンを演じる楽しさや難しさは感じていますか。

 今時の恋愛作品は、すぐに手をつないだり、キスしたりする作品が多いですが、本作は、そこまで行くのにすごく時間を掛けているので、そこが面白いなと思います。僕はハイタッチをすることも恥ずかしいと思う役なので、演じていると本当に恥ずかしくなってきますし、楽しいです。毎晩キュンキュン、幸せを感じられるハッピーなドラマになればいいなと思います。

-弟・ふみお役の石塚陸翔くんと、妹・まち役の小山紗愛ちゃんという幼い2人と共演してみていかがですか。

 初めて会ったときに、ふみおが芸歴7年、まちも5年といっていたので、業界歴が長い2人に、僕は敬語で「お願いします」と言ったりしていたのですが、今や「おはよう」と言うとちょっかいを出し合うぐらいの関係性になって、本当のきょうだいのように接してくれるので、すごくいい関係性だなと思っています。2人は休憩中は、走り回ってわちゃわちゃしているのですが、本番になると、きちんと監督の指示を聞いて「はい、分かりました。やります」と言ってやるので、すごいな、将来が末恐ろしいなと感じています(笑)。

-今回、佐野さんは主演ということで、現場で座長として気を付けていることはありますか。

 本当にないんです。まずは自分のことをやらなくてはいけないなと思いますし、困っている人がいたら助けたいなと思っていたのですが、共演者やスタッフの皆さんがすごくしっかりされているので、僕は皆さんに助けられながら、ただただ日々を楽しませてもらっています。

-今まで共演した中で、この人はすごいな、こんなふうになりたいなと感じた主演俳優はいますか。

 以前、ドラマで共演させていただいた鈴木亮平さんです。亮平さんは、役に対してガッとストイックに入り込めるところもすごいなと思いますし、現場での居方も「亮平さん~!」と、ちょっといじったり、気さくに話しにいける方なのですが、相談をすると、きちんと返してくださいます。本当に亮平さんみたいな座長になりたいですし、亮平さんみたいな役者や人間になりたいというのは、共演してからずっと思っています。

-俳優業やグループ活動でも活躍している佐野さんですが、一番幸せを感じる瞬間は、どんなときですか。

 今回のような作品を見てくれた人が「面白かった」と言ってくださる瞬間や、インスタライブをして終わった後に、「明日も仕事を頑張れる」とか「嫌なことを忘れられた」と言ってもらえた瞬間は一番うれしいですし、幸せを感じます。

(取材・文・写真/小宮山あきの)