-劇中で描かれているように、もし、家族と意見がぶつかってしまったらどう対処しますか。
ぶつかっていいと思っています。全てに共鳴、共感する必要はないと思うので。違いを認めることが大事だと思いますし、私は自分とは違う視点を持っている人の意見を聞くのが好きなので、いろんな人の意見に耳を傾けて、刺激をもらいたいと思うタイプです。
-では、家族の1年の成長を描いている本作にちなんで、南さんにもこの1年を振り返ってもらいたいと思います。どんな1年でしたか。
すごく成長したと思います。自分の思い通りにならないことがあっても、それにあらがわずにできることをやったと思えますし、新しい発想がどんどん生まれて、それを実現できた1年でもありました。書き下ろしのエッセーや初めての絵本も出版しました。舞台も2本やりましたし、海外への挑戦も続けています。実は私は小心者なのですが、恐れずに新しいチャレンジができた1年でもあったと思います。
-新しいことに挑戦しようと思ったきっかけがあったのですか。
きっかけがあったわけではないですが、常に新しいものを求めて、自分に刺激を与えてくれるものを探しているのだと思います。ただ、新しい挑戦をするためには、タイミングや巡り合わせも必要です。自分が望んでいてもやってこないこともあるので、タイミングがやってきたときには逃さないことが大事なのかなと思います。
-南さんは映像作品でも活躍していますが、舞台で演じることの面白さはどんなところに感じていますか。
舞台と映像では、同じお芝居でも競技が違うと思います。映像はジグソーパズルを1ピースずつ埋めていくような作業。対して舞台は、毎日、積み木を組み立てて建物を作り、公演が終わったら崩して、次の日にまた改めてトライするということです。舞台では、毎日始まりがあって終わりがあるので、その日にもしうまくいかなくても、次の日にまた新しく始められるという良さもあります。まったく成り立ちが違うので、それぞれに面白さがあると思います。
-改めて公演への意気込みと読者にメッセージをお願いします。
家族の物語なので、男女を問わず、どの世代の方にも楽しんでいただける作品です。きっとこの作品は、見た後に自分の人生に立ち戻る瞬間があると思います。これは劇場でしか体験できないことだと思うので、ぜひ劇場で楽しんでいただけたらと思っています。
(取材・文・写真/嶋田真己)
tsp NextStage「これだけはわかってる~Things I know to be true~」は、6月30日~7月9日に、都内・東京芸術劇場シアターウエストで上演。