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野間口徹、NHKドラマ初主演!VR世界を舞台にした異色のラブストーリーは「自分に近すぎる役で、圧倒的に難しい」夜ドラ「VRおじさんの初恋」【インタビュー】

-そういう難しい役を引き受けた理由は?

 信頼する吉田(照幸)監督が演出として参加していたことが、お引き受けした大きな理由です。

-吉田監督は、連続テレビ小説「あまちゃん」(13)や大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22)などの話題作を手掛けてきた方ですね。

 吉田監督は、僕が2008年の「サラリーマンNEO Season3」に出演させていただいた頃からお世話になっている方で、常にチャレンジする課題を与えてくださるんです。あるドラマに出たときは、「役が二つあります。どちらをやりますか」と聞かれ、一方を選んだら、「それを選ぶと思っていました」と僕の考えを見透かしたようにおっしゃって。あるいは、僕が何か疑問に思ったことを尋ねると、即答してくださるんです。つまり、僕が悩むことについては、先回りして考え、答えを出しているわけです。そんなことから、全幅の信頼を置いている方なので、吉田監督に身を預ければ、正しく導いてくれるだろうと。

-直樹のアバター“ナオキ”を演じる倉沢杏菜さんと、ナオキがVR世界で出会う美少女アバター“ホナミ”を演じる井桁弘恵さんの印象は?

 撮影前に僕からお願いして、お二人と台本の読み合わせをやらせていただきました。そのとき、監督や僕の要望を伝えたら、すぐに反応が返ってきたので、お2人ともとてもクレバーな女優さんだなと。現場でも、相手のことを考えながらお芝居してくれるので、とても助かっています。ナオキ役の倉沢さんとは、ギャップが生じないように、現場でも「この部分はこう読みたいんですけど、どうですか」と、常にすり合わせながらやっています。

-座長として、現場で心掛けていることは?

 主演だからといって特別なことはしていませんが、普段から周囲がものを言いづらい人間にはならないように心掛けています。監督はもちろん、カメラマンや美術部など、さまざまな部署の皆さんが「こうしてみたら」と提案してくださるアイデアを、漏れなく拾えるようにしたいと思っているので。また、昔から大事しているのが、自分が気持ちよく仕事をするためには、まず周りの人を気持ちよくしなければ、ということ。その点でまずは、スタッフの皆さんは、お名前で呼ぶようにしています。やっぱり皆さん、「衣装さん」、「メイクさん」と職種で呼ばれるよりも、名前で呼ばれた方が気持ちいいでしょうし。それが結果的に、スムーズな仕事にもつながりますし。

-野間口さんの考える作品の魅力は?

 まずはタイトル通り、「おじさんの初恋」を描いた物語が面白いですよね。また、僕自身もそうですが、VRになじみの薄い方にとっては、こういう世界があると知ることができる楽しみもありますし。ホナミの“中の人”が登場する中盤以降はグルーヴ感が増し、VRと現実の間を行き来しながらドラマチックなことが次々と起きるので、どんどん面白くなっていくと思います。ぜひご期待ください。

(取材・文/井上健一)

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