-パーシーのように、与えられた仕事を楽しくやるコツがあれば教えください。
仕事があることが幸せ。シンプルにそういう意識を持ってやっています。僕もミュージシャンを目指していろいろとやっていましたが、思うように行かなくて。でも、音楽に対する情熱は消えなかったのでやり続けましたが、仕事がなくていろいろと自分の中で悩んだり考えたりしました。そこからバラエティーの世界に足を踏み入れて、自分が思ってもいなかった未来が開けましたが、そういう中でも、仕事があることがいかにありがたいことなのか、感謝だなと思うようにしています。こういう取材も、聞きに来ていただかないと、ただの独り言になってしまいます。そういう意味で、こうして取材をしていただくこともすごく幸せなことだと思います。人間って疲れていたり、忙しかったりすると、感謝を忘れてしまう時があると思いますが、そういう時こそ、仕事がなかった時代のことを思い出したり、振り返ったりして、今のこの瞬間の大切さを思い返すというのがとても大事なのかなと思います。
-今回、サンタクロースの声を当てる上で、気を付けたことはありましたか。
最初は、サンタクロースという役柄を、いい意味で、かなり年を重ねた長老のような、80代の後半から90歳ぐらいを想像していて、渋い感じで、おじいちゃん的な声かなとイメージしていたんですけど、監督さんに話を聞いた時に、「元気いっぱいで、皆に力をどんどん送ってあげられるような、希望にあふれたサンタクロース」ということを聞いて、「なるほど」と思いました。絵を見たら、ちょっと恰幅(かっぷく)がよかったのですが、僕はそういうタイプではないので、風船で膨らんだような、恰幅のいい自分をイメージして、元気よく声を出す。そういうイメージで取り組みました。それで「ほっほっほー」という言葉が結構出てくるんですけど、あれも難易度が高かったんです。僕も今まで生きてきて「ほっほっほー」と言ったことはなかったので(笑)。でも、何回も言っていると、どんどん楽しくなってきて、「ほっほっほー」で会話をしているような気分になりました。これは「ここにいるよ」の「ほっほっほー」なのか「その通りだよ」の「ほっほっほー」なのか、そういう解釈をしながら取り組めるようになりました。そうした「ほっほっほー」の違いを楽しんでもらいたいと思います。
-お子さんと一緒にトーマスを見たりしますか。
この映画も一緒に見たんですけど。本当に楽しんでいました。「ほっほっほー」というせりふにすごく反応して、まねしていました。スタッフが子どもたちが喜ぶツボみたいなものを知り尽くしているのだと思いました。1時間という上映時間もベストですよね。子どもって、飽きちゃったり、集中力が続かなかったりするから、1時間というのはぎりぎりだと思うので、その辺りで収めているのも素晴らしいなと。最初は歌から始まって、ストーリーも含めて、子どもが飽きないように作られている。すごく考えていますよね。勉強になりました。
-完成作を見た感想を。
一言で言うと「SHM」、(S)スーパー・(H)ハッピー・(M)ムービーです。幸せが詰まっている映画だと思いました。大人には、こういう気持ちを忘れていたということを思い出させてくれるような映画です。子どもたちには、本当に夢をかなえるためには諦めない、そして仲間たちを大切に。そういういろんなメッセージが込められているし、トーマスたちがみんな魅力的で、すごくすてきな映画になっています。
-観客や読者に向けて、一言お願いします。
もちろん絵もストーリーも声も含めて、すごいエンターテイメントになっていると思うので、お子さんがいる方は、ぜひ見に行ってほしいです。この映画を見れば、大切なことがいろいろ感じ取れると思います。あとは、クリスマスを楽しめます。クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、「パーシーのクリスマス急行」にぜひ乗車してほしいです。サンタの最後のメッセージにも、人生で大切なことが集約されているので、そこも見どころかなと思います。
(取材文・写真/田中雄二)










