青木ケ原樹海をドローンで巡回 自殺者の減少目指し、JDRONEが山梨県から受託

「DJI Matrice 30T」

 

　JDRONE（東京都新宿区）は、山梨県からの受託で、9月から2025年3月末まで、青木ケ原樹海（富士河口湖町・鳴沢村地内）でドローンを活用した見回りと声かけの業務を行っている。

　使用するドローンはいずれも熱を検知するサーマルカメラを搭載しており、夜間でも人物の有無を確認することができる。同事業は、自殺企図の疑いがある人に声をかけて保護につなげることで、自殺予防と自殺者の減少を目指している。

　地域内に自動充電ポートが付いたドローンを2セット設置し、あらかじめ設定した監視ルートを自動巡回する。ドローンに搭載された高性能カメラからの映像で遠隔監視し、不審な動きをする人を発見した場合、現地パイロットがよりハイスペックなドローンを急行させて詳細な情報を得るとともに、ドローンに搭載したスピーカーから対象者に向けて声かけをする。

　山梨県は23年の自殺者数が、発見地ベースで215人に上り、人口10万人当たりの自殺死亡率は2年連続で全国ワーストとなっている。これまで「青木ケ原ふれあい声かけ事業」として、富士河口湖町と鳴沢村が地元監視員によるパトロールを実施しているが、広域で木々が密生しており、青木ケ原樹海を網羅する監視は極めて困難だった。そこで、地上パトロールに加え、上空からドローンを活用して日中、夜間の遠隔監視を行うことになった。